NHK総合「サンデースポーツ2020」IBM K佐藤が出演(5/31 22:05~)
2020年05月27日(水) 19:595月31日(日)22:05よりNHK総合『サンデースポーツ2020』に、キッカーとしてNFL挑戦を続ける佐藤敏基選手(IBMビッグブルー)が出演します。
■番組タイトル NHK総合「サンデースポーツ」
■放送日程 2020年5月31日(日)22:05〜22:50
■内容 アメフト最高峰・NFL目指すキッカーの挑戦 他
コーチから見た佐藤選手
番組をより楽しんでいただくために、佐藤選手の活躍を支えるパーソナルスペシャリストコーチ丸田喬仁さん(ジャパンキッキングアカデミー代表)に今回のNFL挑戦について聞きました。
①佐藤選手の強みや特徴は?
技術面では「足を正確にボールの正しい位置に当てる能力」が非常に高いです。当たり前のことのようですが、実はここが一番難しいポイントです。
甲子園ボウルやJAPAN X BOWLなど数々の大舞台を経験して得た「勝負強さ」も大きな武器です。
ここ一番での決定力は過去指導した選手の中でも随一です(Xリーグ秋季公式戦通算 PAT成功率99%・102回中101回中成功)。
変化を恐れず、コーチの指摘にも柔軟に対応する「素直さ」も成長スピードが早い要因だと思います。
②NFLのスペシャリストにはどのような数値が求められますか?
フィールドゴールでは
・正確性(とにかくスカウトの前で成功し続ける)
・ボールの質(まっすぐ飛んでいるか?ボールスピード)
を見られます。
飛距離は60ヤードまでを蹴られれば十分です。
キックオフでは
・飛距離(70ヤード以上)
・滞空時間(4秒以上)
が目安になります。
これらの目安を超えていれば体のサイズは問われません。
日本人選手よりも小さなNFLキッカーもいます。
今年2月に参加したフリーエージェントのトライアウトではこの基準を超えてパフォーマンスを発揮することができました(特にキックオフでは全体1位に)。
その結果、NFLの公式エージェントと契約に至りました。
③NFLロスター入りへのプロセスは?
⑴フリーエージェントのトライアウトでトップクラスの成績を残す
⑵各チームのキャンプまたは個別のワークアウトに呼ばれる
⑶トレーニングキャンプに参加
⑷プレシーズンのロスターに入り、プレシーズンゲームに出場する
⑸最終ロスター入り、日本人初のNFLプレイヤー誕生!
佐藤選手は⑴をクリアー
⑵の各チームの連絡を待っているという状況です。
④コロナによる上記③についての影響は?
今のところ通常どおり8月にプレシーズンを予定していると聞いていますが、現在は各チームの施設が使用できないため個別でのワークアウトもできず、佐藤選手にとっては歯がゆい状況が続いています。
⑤ドラフト外入団が基本のポジションですが、チーム関係者の目に止まるためにもエージェントの手腕は大きいのでは?
幸い佐藤選手のエージェントは、これまで70名以上をNFLに送り出した敏腕と聞いています。
エージェントいわく、現在NFL3チームのウォッチリストに入っているとのこと。
期待して朗報を待ちたいと思います。
⑥ここまでのプロセスで熱いエピソードがあれば教えてください
私のコーチとしてのキャリアは、佐藤選手への指導から始まりました。
その中でテクニックの共有が3割。残り7割は「どんな人間になるか?」「スペシャリストとしてどうあるべきか?」というマインドの共有をしてきました。
思い出深いのは今回好成績を残したトライアウトと同じトライアウトを一昨年受けた時のことです。
佐藤選手は、第一選考でのパフォーマンスが上がらず、NFLのスカウトの前で蹴ることを許されませんでした。
その夜に悔しくてやりきれない佐藤選手から泣きながら電話がかかって来ました。
そこで私から「なんのために挑戦しているのか?」と彼に問い続けたところ、
「NFLでプレーして応援してくれる人たちに恩返しがしたい」という答えが返って来たんですね。
以降、さらに彼の素直さが強化されてどんどん新しいテクニックにもチャレンジできるようになったと感じています。
さらに成長のスピードが上がりました。
⑦佐藤選手は昨シーズン、フィールドゴールの日本タイ記録(58ヤード)を残しましたが、この数年間で最も成長したのはどの部分でしょうか?
「脚の力で蹴る」のではなく「全身の力を利用して蹴る」ことができるようになりました。
これは、日本人がNFLで戦うために必要不可欠な要素です。
まだまだ伸び代がありますので、さらなる成長が期待できます!
⑧近い将来、佐藤選手に続きそうな存在は?
同じく海外挑戦を続け、CFLコンバインにノミネートされている山﨑丈路選手 (オービックシーガルズ)です。
彼にも注目していただきたいです。