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Xリーグ18年目、ベテラン選手だから語れる『Xリーグの変化』富士通 鈴木選手【アメフトーク】

2020年08月31日(月) 10:05

Xリーグでは健康を守る、社会を守る活動の一環として、選手と一緒に生活のリズムを整え、運動し自己免疫力を高めるために「ラジオ体操&カンタン体操」のオンラインイベントを開催中です。体操の他にアメフトの魅力を選手自らが語る「アメフトーク」が人気コーナーになっています。

8月24日のアメフトークは、富士通の鈴木選手が担当。Xリーグのトップで活躍し続ける18年目の大ベテランだからこそ語れる『Xリーグの変化(成長)』をテーマに、なぜ、Xリーグが近年レベルが上がってきているかを説明してくれました。

富士通 鈴木選手のアメフトーク

ご存じの方もいるかもしれませんが、私は、2002年からXリーグでプレーして今年で18年目になります。本日は2002年からプレーしている私だから話せる『Xリーグの変化・成長』をテーマにお話いたします。

近年、Xリーグはレベルがどんどん上がってきています。その理由は選手の努力、スポンサー企業の支援、協会の運営努力のおかげもありますが、一番はやはり、レベルの高い外国人選手が入ってきたことが大きな要因だと思います。

海外の選手がXリーグに入り始めた当初は「助っ人外国人選手」という表現がふさわしかったかもしれません。1人の外国人選手がゲームを支配し、勝負を決めてしまう状況は多くありました。今でも、勝負を決める力を持った外国人選手はいます。昨年度、サマジーグラント選手が見せたパフォーマンスは、チームメイトとしても衝撃が大きかったと言えます。しかし、近年は外国人選手1人でどうにかするといった状況は少なくなってきています。それよりも高いレベルの外国人選手が入ってくることによって、その彼らと試合して、その彼らと一緒に練習をしている日本人選手のレベルが飛躍的に伸びていることが、今のXリーグのレベルが高まっている最大の要因だと思います。

具体例をあげますと、トップチームの大半はクオーターバック(QB)に外国人選手を起用しています。ボールを投げるスピード、肩の強さが強いクオーターバックになればなるほど、ディフェンスは今まで飛んでこなかった場所やタイミングに、ボールが飛んでくることになります。つまり、マークが少しでも甘いと、パスを通される、パスを決められてしまうのです。したがって、ディフェンスはボールを投げられた瞬間に、ボールを補給する選手にタックルしていかなければなりません。

どうすれば勝てるのか。各チームが勝つために、トレーニング、戦術、基本的なスキル(ファンダメンタル)に相当な時間をかけて取り組んでおり、数年を通して、リーグ全体のスタンダード(当たり前のレベル)が大きく変わったと強く感じます。

観戦する皆さんには、どのチームにどんな外国人選手がいるのか、そのあたりを楽しみに見ていただきつつ、同時に、各チームがどんな対策を練ってきているのかにも注目していただきたいです。対峙する選手のレベルも格段に上がってきていますので、たとえルールをよく知らなくても、絶対に何か感じてもらえる試合をお見せすることができると思っています。2002年からやっている私が言うので間違いありません!

今年は縮小版のシーズンになるので、短期間の決戦にどんなドラマが待っているか、ぜひ楽しみにしていてください。春シーズンがなかったこともあり、どのチームもぶっつけ本番になるので、これまでと違った展開が待っていると思います。開幕に期待してください。私たちも全力で準備します。

質問編:鈴木選手が衝撃を受けた外国人選手は?
元シーガルズのケビン・ジャクソンさん――現在はオービックシーガルズのディフェンスライン(DL)コーチ――には衝撃を受けました。ハワイ大学出身の選手で、ルーキーイヤーから大活躍。クオーターバックサック、パスカット、インターセプト、ディフェンスだけにとどまらず、ゴール前の攻撃ではワイドレシーバーに入ってプレーすることもありました。鮮烈的なデビューを飾り、ジャパンXボウル最優秀選手(MVP)を獲得されたのは今でも鮮明に記憶に残っています。その後も10年連続でオールXリーグに選出されるような活躍を見せ、引退する2018年までXリーグのレベルを上げ続けてくれた選手です。

【写真上:ルーキーイヤー2005年、写真下:引退した2018年】