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悩めるアスリートをピラティスが「リフォーム」する - ピラティストレーナー国松亜樹良

2020年09月21日(月) 08:23

日本でも女性を中心に人気エクササイズとして定着しているピラティスが、アメリカンフットボール選手の新たなトレーニング方法として注目を集めている。

その中心的な存在として活躍するのが日本人NFLチアリーダーや現役Xリーガーを多数サポートするピラティストレーナーの国松亜樹良(くにまつ・あきら)氏だ。

国松氏とピラティスとの出会いは2007年にさかのぼる。専門学校の恩師との会話の中で一際興味を引く話題があった。彼の恩師がアスレチックトレーナーの海外研修プログラムをアテンドした際、視察先のNFLピッツバーグ・スティーラーズのトレーニング施設の片隅で、NFLを代表するスーパースターのトロイ・ポラマルが見たこともない不思議な動きを繰り返すのを発見したのだという。

それが『phiピラティス』というメソッドであることをポラマル本人が明かしてくれたと話す恩師は日本でもその指導者を増やしていきたいと熱弁したそうだ。「スーパープレーを連発するポラマル選手がやっているなら間違いない。phiピラティスをもっと知りたい、という衝動が今でも原動力になっています」と国松氏は打ち明ける。

オービックシーガルズでトレーナーを続けながらスキルアップを模索していた国松氏は2008年に渡米、phiピラティスのトレーナー資格を取得する。国松氏によれば、ピラティスにもさまざまな流派があり、中でもphiピラティスは単なるエクササイズではない「運動療法としてのピラティス」とのこと。

「phiピラティスの特徴、強みとも言えるのが『Reform(調整、リフォーム)』という概念です。体のクセを見つけ、本来の体の動きを取り戻すことに強みを発揮します。不調の箇所を特定することで故障の予見もできます」

「リフォーマーという器具を使うのですが、一見簡単そうな動きでも最初からスムーズにできるアスリートは稀ですね。普段使わない筋肉を使うため、見た目以上にハードです。股関節がつったりして、みなさん苦労されていますが、1回でその人の体のクセは大体わかります」

現在「NFLに一番近い」と評されるキッカー佐藤敏基(IBMビッグブルー)も国松氏がサポートする選手の1人だ。

「佐藤選手はもともと器用なので体の一部に違和感を抱えていても他の部分をうまく使って一見普通に蹴ることができてしまう。これを続けていると、いつか故障してしまうと考え、無理のない体の使い方をマスターしてもらいました」と明かす国松氏。佐藤自身、昨シーズンの好成績の理由にピラティスと国松氏の存在を公言しており、国松氏もまた佐藤の活躍によって自信を深めたという。

「パワーやスピードがあっても故障がちな選手や伸び悩んでいる選手は体の使い方や姿勢に問題がある場合が多いですね。こうした悩みもピラティスで改善できるケースが少なくありません。またピラティスで体のクセを取り除いた状態で従来のトレーニングをすることで一層の効果が期待できます」

そうピラティスの可能性を説いた国松氏は次のように締めくくった。

「自分の体がまさに『リフォーム』される感覚を1人でも多くの選手に体験してもらいたいです。ピラティスは不調や故障に悩む日本のアスリートに必ず役立つものだと確信しています」