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富士通WR松井が日本代表の経験で得た球際の強さ、「ここだけは譲れない」

2020年11月08日(日) 11:43

富士通フロンティアーズの日本代表レシーバーが、代表戦で得た能力を武器に大暴れした。

7日(土)に行われたIBM BigBlue戦を41対21で制した富士通のワイドレシーバー(WR)松井理己は、先制の63ヤードタッチダウンキャッチを含め、パス捕球5回、91ヤード、2タッチダウンを記録し、チームの勝利に大きく貢献している。

1本目のタッチダウンパスは、試合開始からわずか2プレー目の出来事だ。左にセットした松井はエンドゾーンに向かって走り出すと、上がり目になっていたIBM守備選手をあざ笑うかのように置き去りにしてフリーになった。「2プレー目にいくと最初から決められていました。絶対決めようと考えていて、タッチダウンにつなげられたのは良かったです」と、松井は先制タッチダウンの場面を振り返る。

初戦のノジマ相模原ライズ戦では対峙したディフェンスバック(DB)リー・ハイタワーの手が想像より長くて気後れし、ノーキャッチに終わった。しかし、IBM戦の松井は相手守備に臆することなく、出だしにタッチダウンキャッチを成功させられたおかげで、平常心でプレーすることができたという。

「今日は落ち着いてできました。最初に1本を取れたことが一番大きかったです」

日本代表に選出されて意識が変わった。今年3月に米国テキサス州で行われたTSL(ザ・スプリング・リーグ)選抜戦に日本代表として出場した松井は、「アメリカのチームと対戦して感じたのは、身体能力がある中で最終的にキャッチできるかできないかを強く感じた」と明かす。このアメリカで得た成果を遺憾なく発揮したのが2つ目のタッチダウンキャッチだった。

10点をリードして迎えた第4クオーター、ここでタッチダウンを奪って3ポゼッション差にすれば、残り時間から考えてセーフティリードになる場面だ。ゴール前4ヤードからのセカンドダウンに、松井は相手守備のマークを外してエンドゾーン内でマイケル・バードソンからの浮き球をがっちり捕球した。

「球際の勝負だなというのは自分の中で感じていました。バードがうまいところに投げてくれたこともありましたけど、意識的にはディフェンスバックと競り合っても捕ろうという気持ちでした。そこだけは譲れないです」

身長185cm、体重88kgと日本人レシーバーとしては恵まれた体格の松井。サイズの長所に加えて球際の強さも身に着けた23歳の若武者は、「個人的にはもっと一段階上に積み上げて、また安定した活躍ができるように一から準備する必要があります」とこの日の活躍に浮かれることなく次戦に向けて気を引き締めた。

富士通対IBM戦の模様は『XリーグTV Powered By イレブンスポーツ』にて見逃し配信中だ。