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大敗からの2連勝で意識改革に成功したノジマ相模原、「選手を褒めたい」と指揮官

2020年11月25日(水) 13:16

「うれしいし、ほっとしています」

ノジマ相模原ライズの城ケ滝一朗ヘッドコーチは、23日(祝・月)に行われた今季最終戦となるIBM BigBlue戦で勝利した後に安どの表情を浮かべた。

今シーズンのノジマ相模原は開幕戦で富士通フロンティアーズ戦に大敗して出鼻をくじかれたものの、その敗戦をきっかけにチームの意識が変わったと指揮官は話す。

「富士通に散々な負け方をしたところから始まって、あそこから選手の規律など、日本一にふさわしい姿を見つめ直し、選手一丸となってやってきました」

ノジマ相模原の練習は土日に限られている。城ケ滝HCによると、週の最初の練習日には選手の闘志が欠けていることがあったといい、「土曜日の最初の集まりの雰囲気や、選手の意欲みたいなところがないことが多かったんです」と明かした。そのムードが富士通戦で如実に表れ、第1クオーターに28失点という結果に終わったのだ。

「練習でやったことしか出ず、土曜日の感じがすべて試合に出ているので、ここを変えないとチームは強くならないと思いました。なので、富士通戦後は、土曜日の初めから全員が勝負できるような気持ちでスタートすることから始めたんです」

富士通に負けた日を境に、コーチ、リーダー、主要メンバーからレギュラー以外のメンバーにも意識改革が浸透していった。

そして、第2節には新加入のクオーターバック(QB)カート・パランデックが合流した。しかし、本場のアメリカンフットボールを知るネバダ大学ラスベガス校出身の右腕と言えど、プレーブックは理解できていても、いざ試合となるとレシーバーとのタイミングが合わない。生真面目な司令塔は平日の練習を願い出ると、チームメイトとパス合わせに励み、どんどん呼吸が合うようになっていった。

戦力が整い、フットボールへの取り組み方が変わったチームは、富士通戦後に2連勝を遂げている。意識改革が結果に結びついただけに、城ケ滝HCは喜びもひとしおだったようだ。

「選手を褒めたいです。選手たちが自主的にオンラインミーティングをやりだして、チームがどんどん変わっていき、それが結果になったのがすごく嬉しいです」

城ケ滝体制1年目の成績は2勝1敗。X1 Areaとの入れ替え戦に出場した昨シーズンを考えれば上々の結果で今季をフィニッシュした。来年に向けては、「もちろん日本一しか目指していません。富士通という壁は大きいですけど、越えられない壁とは思っていないので、必ず強くして来シーズンは富士通を倒して日本一になることをここに誓いたいと思います」と、高らかに宣言した。