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コロナ禍で役立つ新歓の HOW TO レポート【第2回 X meets Friday】

2021年04月09日(金) 18:00

アメリカンフットボールファミリー(学生フットボーラー)に寄り添う活動の一環としてNPO法人「Shape the Dream」のmeetsCoachプロジェクトと連携したオンラインイベント【X meets Friday】。

3月19日に実施された第二回目のレポートをご紹介。パネリストとして参加したのは、ブランディングプロデューサー川野宏明氏(元Xリーグトレーナー)スポーツフォトグラファー杉田恵氏(XリーグInstagram担当)コミュニティデザイナー宮城創大氏(元大学ラクロス部)の3人。進行は、Shape the Dreamの白木栄次代表が務めた。

この日は、「How to 新歓 ~with coronaのオンライン勧誘~」と題し、そこから5項目にブレイクダウンして話し合われた。ここではパネリストたちの言葉を項目ごとに紹介していく。

1.新歓の経験と苦労した点を含めた自身のエピソード

杉田「アメフトには縁もゆかりもありませんでしたが、大学でアメフト部の方が熱心に勧誘していました。そこでアメフトという競技よりかは、この人たちと大学生活を一緒に過ごせたら楽しいだろうと思ったのが(マネージャーとして)入部のきっかけです。天理大学はスポーツが盛んで入学と同時にほとんどの人は入部する部活が決まっているのでその中で部活に入っていない人を探すのは大変だったと思いますが、毎朝挨拶をしたり履修登録の手助けを声をしてくれたりしたのが印象的でした。あの時の出会いが今に繋がっていると思うと感謝の気持ちでいっぱいです。」

宮城「私の学生時代は、“裏スローガン”を作っていました。(勧誘で)声をかけた時に冷たくあしらわれたりする時があると思います。そんな時は、みんなでくじけないように、『爽やかに図々しく』をテーマにしていました。ラクロスという競技を知ってもらうことが重要だったので、グラウンドに来てもらい道具に触れたりしてもらったりしました。」

2.それぞれの立場や観点から、新歓において最も重要なポイントは?また、なぜそれが重要なのか?

川野「インターネットを使っていない学生は少ないので、コロナを抜きにしても、マーケティングの一環として戦略的にSNSを使っていくのは一番重要なポイントだと思います。どういう人に対して発信していくかを絞ることはマーケティングでは重要なことです。そのうえで、自分たちの強みと弱みを出していきます。」

杉田「知ってもらうということが大事だと思っています。今の時代は便利なSNSが沢山あるので、それを使い分けて情報を発信していくことが大事ですが、競技を知ってほしいという発信だけをしてしまうとアメフトに興味ない人のほうが大半なので、競技名を抜きにしてアメフト部の楽しさ、選手の個性など親しみが伝わる発信ができればと思います。」

宮城自分たちのチームとして何を目指しているか、自分たちらしさなどという部分を整理して発信するのが、新歓に成功している部活として聞きます。それから、選手の人となりが分かるような投稿も効果的だと思います。」

3.SNSやオンラインなど直接対面で会わなくても魅力を伝えるために必要なことは?

宮城「具体的にどういう人が入部してほしいかを描いた時に、そのような人たちにいかにリーチして知ってもらえるかが重要になってきます。」

4.よい事例の紹介

杉田ペルソナを設定して、SNSの発信を続けることが成功につながると思います。どれがバズるか分からないので、続けることが大事です。」

宮城「東海大学のラクロス部と関東のラクロス全体の成功事例を紹介します。まず、ラクロス全体で言うと、昨年はコロナ禍で新歓ができない中、ラクロス協会がクラウドファンディングをして、その資金を使ってSNS用の動画広告を作成しました。それをフル活用しようという気持ちを各大学が持てたことが成功事例になるかと思います。実際にあった事例ですが、他大学の私の後輩から連絡があり、東海大学に入学するのでラクロス部へ勧誘してほしいと連絡がありました。ラクロス界全体で、ラクロス人口を増やそうという動きがありました。」

川野「多くの方が、twitter、Instagram、tiktokを使っていると思いますが、それぞれの特徴を見てほしいと思います。例えば、twitterは検索した時に情報が一覧で見られません。タイムラインでどんどん流れていって情報が溜まらないので、そこでどんどん情報を出してもユーザーは欲しい情報にたどり着きにくいです。そして、そこでの発信内容は、アメフト寄りではないほうが見られやすいです。Twitterはコラボレーションが有効なツールので、他大学や他の部活と一緒にやっていくと面白いと思います。成功事例としては、早稲田大学ホッケー部のInstagramです。Instagramはtwitterと違って情報が蓄積されます。早大ホッケー部は、何の投稿かわかるようにサムネイルにタイトルを入れています。そうすると、アカウント検索でたどり着いた人が知りたい情報にたどり着けます。」

5.各パネリストのそれぞれのフィールドにおけるお役立ち情報

杉田:フォトグラファーの立場から、写真や映像、インスタ映えの極意とは?

「競技写真だけにとどまらず、チーム内でお互いの魅力を尊敬し、分かち合い、そこを写真や動画で発信する。雰囲気を大事にして、メディアの発信というより、選手にフォーカスしています。」

川野:ブランディングの観点から、組織のブランド力を高めるためには?

自分たちの強みや弱みを把握したうえで、一貫性を持ったメッセージを発信しつづけることがブランド力を高めることには重要です。」

宮城:新歓の取り組みが社会やキャリアで役立つ場面とは?

新歓での取り組みはビジネスの場に直結するので自信をもってやってほしいです。体育会に入っていると練習時間が長かったりして企業インターンになかなか参加できませんが、新歓での取り組みは、真剣にやれば企業インターンに匹敵する経験になるので、チームの一大プロジェクトとして思い切ってチャレンジしてほしいです」