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【X Factor】ウィニペグ・ブルーボマーズOL町野友哉

2021年07月06日(火) 19:00

この夏、6人の「X戦士」がカナダのプロフットボールリーグCFLに挑戦します。「X Factor」ではその6選手全員に独占インタビューを行いました。7月10日のトレーニングキャンプ開始を前にCFLに挑戦する意気込みを聞きます。

「コンバイン数値はライバルを圧倒 スピードとクイックネスでCFLに挑む」

日本人としてはおよそ規格外のサイズを持つ町野友哉選手(富士通フロンティアーズOL)はディフェンディングチャンピオンのウィニペグ・ブルーボマーズから2巡(全体の15番目)指名を受けました。しかし、彼の武器はサイズだけではありません。それはコンバインで他のオフェンスラインを圧倒した数値が物語っています。

Q:ドラフト当日(日本時間4月16日未明)はどんな思いで待っていましたか?
町野:寮の自分の部屋で1人で携帯サイトを見ていました。待っている間はすごくドキドキというか結構不安もありました。(指名される)自信もあったんですけど、100%というところまでではなかったので、かなりドキドキといった感じでした。嬉しかったですが、(名前が)呼ばれてホッとしたという気持ちの方が強かったですね。

Q:ドラフト直後にチームから連絡は?
町野:次の日にHCから電話が来ました。歓迎の言葉をもらって、今後はいろんなコーチと会話しながらやっていこうみたいな、簡単な挨拶程度のものでした。

Q:グローバルドラフトは4巡制でしたが、その中で2巡でという高いラウンドでの指名でした。その評価についてはどう思いますか?
町野:特に順位にこだわりはなく、自分が何巡目で指名されるかはあまり考えていなかった。とにかく何巡、何番目でもいいので滑り込めればいいなと思っていました。

Q:どういうところが評価されたと思いますか?
町野:とくにチームから説明されたわけではないので予想に過ぎないんですが、やっぱりスピードとクイックネスが1番買われているんじゃないかなと思っています。去年のXリーグではケガをしていてあまり試合にも出られなかったので自分の映像を多くは残せていなかった。良かった点と思うのはコンバインでの数値が(グローバルドラフト候補生の)オフェンスラインの中で40ヤード走以外は全部1位だったこと。スピードとクイックネスは自分が勝負するべきところだという気持ちでやってきたので、そういうところが評価されているんじゃないかと思います。

Q:CFLでもアピールしたいのはそのスピードとクイックネスというところになりますね。
町野:そうですね。サイズの割に動けるというところですね。そこで勝負して行くしかないかなって。

Q:海外のプロリーグに挑戦するということを具体的に考え始めたのはいつ頃ですか?
町野:2019年の5月ごろです。大学を1年留年して5年生のときの5月か6月ぐらいにはすでに海外挑戦すると決めて動き始めていました。

Q:何かきっかけがあったんですか?
町野:きっかけはいろいろありました。そのひとつが、元NFL選手が京都大学に臨時のオフェンスラインコーチとして来たことです。クリス・ナオール(コロラド大出身の元NFLのオフェンスライン。1997年ドラフト1巡、全体の10番目指名でセインツに入団。セインツ、ジャガーズで2009年までプレイ)という方で、その人との出会いが大きかった。彼から教わったことというよりも、まず彼自身が強烈な印象でした。引退して何年にもなるのにサイズがめちゃくちゃデカい。教えてくれる時に軽くパンチされたりするだけでそれがものすごく強かった。これがNFLなんだというすごく強烈な印象でした。

Q:海外プロリーグを目指すようになってから練習やトレーニング方法は何か変わりましたか?
町野:特別なことをやり始めたというわけではないですが、海外を目指すと決めた時からまずはサイズで並ばないと、向こうのレベルまで達しないと始まらないなと思うようになりました。まずは体重を増やすところからやり始めました。また、海外では数字が重視されたり、数字で選ばれたりするという話を聞いているので、コンバインの40ヤード走やスリーコーンドリル、立ち幅跳びなどの数値を意識しました。体重を増やしていく中で、数値を維持または伸ばしていくということを意識してトレーニングしてきました。

Q:町野選手はオフェンスラインですから、サイズのあるディフェンスラインやスピードあるディフェンスエンドと直接対峙します。海外の選手と対戦した時にどういう印象を持ちましたか?
町野:一度だけアメリカでショルダーパッドとヘルメットを着けてパスのワンオンワンのようなコンペティション系の練習をやったことがありますが、パワーもスピードも全く日本とは違うなという印象でした。やっぱりサイズがあるので、1歩1歩の大きさや距離感が日本人と対戦するのとは全く違う。やり方を変えていかないといけないなとはすごく感じます。

Q:ブルーボマーズに指名されてからの2か月はどのように過ごしていましたか?
町野:生活としては指名前も指名後もあまり変えていなくて、富士通で勤務しながら仕事の後にトレーニングをやってきました。水、土、日曜日には富士通フロンティアーズの練習に参加してしっかり自分の技術を高めていくことに注力していました。特に何かを変えたりはせずに、日々いつも通りに自分のレベルアップをできるようにやってきました。

Q:ブルーボマーズに対する印象はどうですか?
町野:一昨年のチャンピオンチームなので、強いチームだなとは思っています。ウィニペグという都市はちょっとだけ調べました。街はきれいな印象で、カナダで8番目の都市なんだと何かで読みました。8番目というのがピンとこないところではあるんですけど(笑)。冬は結構寒そうです。

Q:これまでチームとはどんなやり取りをしてきましたか?
町野:オフェンスラインのコーチやフットボールオペレーションの担当者と手続きのことで連絡を取り合っています。チームのビデオシステムへのアクセスをもらって映像を見る指示を受けたり、こちらから質問をしたり。プレイブックも見たんですが、やはり結構複雑で日本より覚えることも多いようです。CFLではモーションも自由だし、隊形もたくさんある。それがどこまでオフェンスラインに関わってくるかはまだわからないけど、新しく覚えることがたくさんあるので。キャンプまでにしっかりある程度は覚えていかないといけない。

Q:フィールドもアメリカンフットボールのものとは違って広くなりますね。
町野:フィールドの大きさはそこまで気にするところではないのかなと思っています。アメリカンフットボールとの違いとしてはディフェンスラインがスクリメージラインから1ヤード以上下がらないといけないっていうルールがある。それによって今までの自分の間合いとか距離感とか、そういうところがたぶん違ってくると思う。まだ体感したことがないですけど、これは大きな違いですね。オフェンスラインにとっては一応有利にはなると思う。パスラッシュも縦の脅威は緩和されると思うし、ランブロッキングでもより奥で当たれると思うので。有利だなとは思うけど慣れは必要です。

Q:皆さんに聞いている共通の質問ですが、町野選手にとってアマチュアとプロフェッショナルの違いはどこにあると思いますか?
町野:結果が求められることかな。結果とそれに責任が求められるのがプロだと思っています。アマチュアはどれだけ自分がミスしてもチームをクビになることはないし、また次のチャンスがあると思うんですけど、プロだと本当にひとつのミスでクビになるかもしれないという状況でやっていかなければいけない。そういうところの本当の緊張感を持ってやらないといけないなというのが今感じているプロとアマチュアの違いです。

町野友哉(まちの ともや)
ウィニペグ・ブルーボマーズOL(2巡全体15番目指名)
1997年3月16日、岐阜県生まれ。高校までは野球をしていたが、京都大学入学後にアメリカンフットボールを始める。2月のグローバルコンバインではベンチプレス、幅跳び、スリーコーンドリル、シャトルランで参加OLでトップの数値を出す。富士通フロンティアーズ所属。2018年大学世界選手権日本代表。197 cm、136 kg。

Winnipeg Blue Bombers(ウィニペグ・ブルーボマーズ)
1930年創立。いわゆるシェアホルダーとしてのオーナーは存在せず、NFLのグリーンベイ・パッカーズのように地域が所有するチームである。2019年はウェストディビジョン3位の成績からプレーオフで勝ち進み、第107回グレイカップを制覇した。2020年シーズンは行われなかったため、ディフェンディングチャンピオンとして今季に臨む。ニックネームは地元のあるスポーツ記者がウィニペグのチームを「ブラウンボマー(褐色の爆弾)」と呼ばれた人気ボクサーのジョー・ルイスになぞらえて、「ブルーボマー(青い爆弾)」と表現したことに由来するとされる。本拠地:マニトバ州ウィニペグ ホーム球場:IGフィールド(33,000人収容) 2019年シーズン:11勝7敗( ウェストディビジョン3位) グレイカップ優勝:11回(11 (1935、 1939、 1941、 1958、 1959、 1961、 1962、 1984、 1988、 1990、 2019年)

HP:https://www.bluebombers.com/
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