富士通QB高木、ライバルのオービックに勝てたのは「チーム全体の勝利」
2021年12月14日(火) 16:00オービックシーガルズとのセミファイナルを制して2年ぶり6度目のライスボウルへ駒を進めた富士通フロンティアーズ。オービックとは2週間で2試合を戦い、いずれも勝ち切ることができた。ライバルとの接戦を制したことはチームにとって大きな意味を持ち、選手には大きな自信となった。
山本洋ヘッドコーチは試合後に「前回に続いてオービックに勝てたことは嬉しく思う」と安堵の表情を浮かべた。安定したクオーターバッキングで攻撃を指揮した司令塔の高木翼(上段写真)も「勝ち切れたことは良かったと思います」と白い歯がこぼれる。
レギュラーシーズン最終節と同様にこの日も苦しい展開が続いた。前半を同点で折り返し、後半早々に勝ち越すも、その後は追加点を奪えず、モメンタムは何度も動いた。それだけに、富士通の指揮官は「オフェンスに関しては、しっかりドライブできたのが1シリーズか2シリーズくらい」と辛口のコメント。高木も「全然満足していない」と、パスで166ヤード、1タッチダウンを記録した自身のパフォーマンスに首を傾げた。
それでも勝ち切ることができたのは、守備陣の踏ん張りがあったからだ。オービックのラストドライブでは、36歳の藤田篤がインターセプトして相手の息の根を止めた。山本HC(下段写真)も「ディフェンスが良いところで止めてくれて、そこをスコアにつなげられたところが非常に大きかった。最後のプレーに関しては直接勝敗につながったので、良いプレーをしてくれたと思う」と、ディフェンスの奮闘を勝因の一つに挙げていた。
そして、高木が「チーム全員の勝利だと思います」と話したように、仲間への信頼も勝利のための大事な要素だった。決勝のタッチダウンパスをキャッチした松井理己は、「一発目の長いパスを落としてしまい、少しあがっていた部分がある。(宜本)潤平さんが短いパスや中距離のパスを捕って着実に前に進めているのを見て、とにかくオフェンスが前に進めないと勝てないと切り替えたので、その意識の切り替えができてよかった」と先輩レシーバーのおかげで冷静にプレーできたと認める。
次戦はいよいよアメリカンフットボール日本選手権プルデンシャル生命杯第75回ライスボウル。パナソニック インパルスと日本一をかけて争う。レギュラーシーズン唯一の黒星となった相手にリベンジを果たす絶好の機会だ。第6節ではわずか1回のパス捕球に終わった松井は「球際の強さ。守備と1対1の勝負でしっかりと勝ち切るところを見てほしい」と自身の長所をアピール。2年前のライスボウルで最優秀選手に輝いた高木は、「今年のチームのスローガンはAll or Nothing。昨年は決勝で負けてしまった。つまりそれはNothingだと思う。今回はライスボウルという素晴らしい舞台で、1回負けているパナソニックと戦うことが決まっているので、スローガンであるAll、つまり優勝する。負けたら2位以下は全部一緒だと思うので、次の試合は何としてでも勝ち切るための準備をやっていきたい」と頂上決戦に向けて気持ちを高めていた。
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