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【Frontiers’ Road to Rice Bowl Vo. 1】開幕節:新たな布陣で新境地 初戦にして完成度高かった富士通フロンティアーズ 〈短期集中連載①〉

2021年12月24日(金) 14:00

X1 Superの2021年開幕戦は9月4日、小雨の降り続ける富士通スタジアム川崎で行われた。ノジマ相模原ライズと対戦した富士通フロンティアーズにとっては前年に宿敵オービックシーガルズに譲り渡した王座の奪還を目指すシーズンの幕開けだった。ただし、そこには昨年までとは少し違ったフロンティアーズの姿があった。

クオーターバック(QB)では退団したマイケル・バードソンに代わって高木翼が先発を務め、トラショーン・ニクソンはラインバッカー(LB)からランニングバック(RB)に再コンバート。一昨年からRBとしてプレーしてきたサマジー・グラント(写真)はワイドレシーバー(WR)として登録し、背番号も29から4に変更した。

LB山岸明生と(オフェンスライン)OL町野友哉はCFL参戦のために離脱し、移籍、復帰を含めると13名もの新顔が加わった。まさに新生フロンティアーズの登場だった。

そのフロンティアーズは2年目を迎えたQBカート・パランデックを中心に戦力を整えてきたライズを49‐17で圧倒した。印象的だったのは自分たちの強みを存分に生かしながら、相手のミスに乗じて有利な状況を作り出す試合運びのうまさだ。

フロンティアーズは最初のポゼッションをニクソンのランを中心にリズムを構築し、高木からWR松井理己へのタッチダウンパスであっさりと先制する。6プレーでの得点で試合開始からわずか2分29秒後の今季初得点。パス失敗やロスヤードの全くない完璧なタッチダウンドライブだった。

直後のキックオフではライズのリターナーがファンブル。それを小梶恭平がリカバー&リターンしてタッチダウン。ライズのオフェンス陣が一度もフィールドに足を入れないうちに早くも14‐0とリードを奪うことに成功する。

第2クオーターにもライズのファンブルで得た攻撃権をきっちりとタッチダウンに結びつけた。「強いチームを相手にターンオーバーは致命傷だ」とよく言われるが、その見本のような試合展開となった。

フロンティアーズ自身もファンブルロストからライズにタッチダウンを許すが、計7タッチダウンをあげた試合の中ではさしたる影響はなかった。

ニクソンの強力なランプレーと高木のパスで試合を組み立て、相手のミスを着実に得点に結びつける試合巧者ぶりは、開幕戦にしてすでにかなり完成度の高い新生フロンティアーズの姿を強烈に印象付けたのだった。

次回:〈短期集中連載②〉【 Impulse’s Road to Rice Bowl Vol. 1】 開幕節:2年ぶり凱旋の関西に10TDの衝撃 今季リーグ最多得点で好スタートを切ったパナソニック インパルス

関連リンク

<ゲームリポート>
“新生”富士通が開幕白星発進 ノジマ相模原相手に7TD
https://xleague.jp/news/20027
<見逃し配信>(XリーグTV Powered By イレブンスポーツへの登録が必要です)
富士通 vs. ノジマ相模原
https://xleaguetv.elevensports.jp/video/516