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【Impulse’s Road to Rice Bowl Vol. 4】 第3節:逆境をTDに転じるオフェンス力 パワーハウスの真骨頂〈短期集中連載⑦〉

2021年12月28日(火) 16:00

インパルスは第3節のIBM BIG BLUE戦で65-17と圧勝するが、この試合はオフェンスの強さが際立った。9タッチダウンなどで計65得点をあげたことも特筆に値するが、総獲得距離644ヤードのうちランが371ヤードという数字をたたき出したことも驚異的だった。

新人ランニングバック(RB)立川玄明(写真)は5回のラッシュで140ヤード、ミッチェルビクタージャモーも10キャリーで101ヤードを稼いだ。1試合で二人がセンチュリーマークを達成する快挙である。パスでも先発クオーターバック(QB)アンソニー・ロウレンスと2番手の石内卓也がそれぞれ2タッチダウンパスを記録した。

しかし、この試合におけるインパルスの強さは逆境の場面をタッチダウンにつなげるしたたかさにあった。

第1クオーターにインパルスはBIG BLUEの丸山和馬の好パントによって自陣1ヤードから攻撃を強いられた。ミッチェルのランで5ヤードラインまで陣地を回復した後のセカンドダウンで、ロウレンスからワイドレシーバー(WR)木戸崇斗への95ヤードパスが決まる。

このプレーでは右サイドからスラントのパスコースで斜めに入ってきた木戸に対し、エンドゾーンでパスを投げる体勢になったロウレンスが直線的なスピードパスをヒット。20ヤードライン付近でディフェンダーを振り切ってパスキャッチをした木戸はそのままノータッチでエンドゾーンに駆け込んだ。

その約4分後のことだ。敵陣25ヤードで第4ダウン1ヤードとなったインパルスはギャンブルを敢行。選択されたプレーはRB横田惇へのハンドオフだ。1ヤード走ってファーストダウンを更新できれば十分なプレーだったが、オフェンスライン(OL)藤井敬士、柴田純平、リードブロッカーのWR西紋弘次が強引にこじ開けた左オフタックルのレーンを横田が駆け抜けて25ヤードのタッチダウンランとなった。

フットボールにおける不利なフィールドポジション、ダウン&距離のシチュエーションに置かれたにもかかわらずビッグプレーでタッチダウンを奪うことによってインパルスは早々に点差を広げて試合を決めた。

ディフェンスもビッグプレーでアシストした。ラインバッカー(LB)ジャボリー・ウィリアムスは第1クオーターにBIG BLUEのパントをブロック。弾かれたボールはエンドゾーンからアウトオブバウンズに出てセーフティ(2点)となった。また、ディフェンスバック(DB)辻篤志も前半終了間際のインターセプトで相手の攻撃の芽を摘んだ。

この約2か月後、リーグ戦を1位で通過したインパルスはセミファイナルで再びBIG BLUE(リーグ戦4位)と顔を合わせる。前半でほぼ勝負が決まった初戦とは異なり、セミファイナルは最後まで行方の分からない緊迫した試合になるのだった。

次回:〈短期集中連載⑧〉【Frontiers‘ Road to Rice Bowl Vol. 4】 第2節:アップセットの脅威にもブレないQB高木の安定感 早くもエースの風格

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