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【私とライスボウル】インタビュー: 鳥内秀晃前関西学院大学ファイターズ監督

2022年01月02日(日) 14:00

1984年に日本選手権試合となり、名実ともに日本最高峰のボウルゲームと位置付けられたライスボウルでは過去にいくつもの名勝負が生まれました。今でも語り継がれる数々の好ゲームはまた多くの名選手や名監督を輩出しました。こうしたライスボウルを彩った名選手、名監督たちにライスボウルにまつわる思い出や知られざるエピソードを教えていただきました。題して「私とライスボウル」。
*ご協力いただいた方にアンケートをお願いし、回答を掲載しています。

今回は鳥内秀晃前関西学院大学監督にお話を聞きました。
プロフィール
鳥内秀晃(とりうちひであき)
出身大学:関西学院大学
ライスボウル出場時の役職:関西学院大学、アシスタントHC兼守備コーディネーター、監督
ライスボウルに出場した年とその時の在籍チーム名(1984年以降):1986年、1992年、1994年、2000年、2002年、2008年、2012-2015年、2017年、2019年、2000年、いずれも関西学院大学

Q:鳥内さんが監督として関西学院大学を率いてライスボウルに出場したことが12回あります。どの試合を一番よく覚えていますか?
鳥内:みんな覚えているよ。(どの大会と)言われたら思い出せる。東海(辰弥、京都大学、アサヒビールシルバースターQB)にもやられた、サヨナラ(タッチダウン)で(1994年第47回大会、シルバースター 28-23 関学大)。あれはチャンスがあったのに。それからオービックにも勝ちかけた(2013年第66回大会、オービックシーガルズ21-15関学大)。最後の方はもう面白くなくなったよな、差がつきすぎて。(社会人リーグで)外国人QBが増えたから。

Q:勝った試合のことが出てこないですね。
鳥内:ああ、2002年(第55回、関学大30-27アサヒ飲料チャレンジャーズ)か。あの頃はまだチャンスがあった。ライン的にも勝負できそうだった。あの年は石田力哉がキャプテンで、「社会人に勝つことを狙おう」と言ってきた。そこで、何を言うてんねんと思ったけど、そのころは立命館大学がめちゃくちゃ強かった。(打倒立命大を)目標にしても達成率7割。立命大を相手に7割達成だったら、社会人を倒しに行こうやと。社会人打倒を目標にして達成率7割だったら勝負できると思って、それで(石田に)「おお、ええよ」と言った。そして、ぎりぎり勝つことができた。当時のアサヒ飲料を見たらレベル的にもチャンスあるなと思えた。ただ、この10年で社会人のレベルは違ってきたからな。あれが唯一のチャンスやったな。

Q:当時の関学大にとってライスボウルっていうのは甲子園ボウル優勝という目標の延長線上にあったのでしょうか?それとも逆にライスボウル優勝を目標に掲げていって、その過程に甲子園ボウルがあったのでしょうか?
鳥内:もともとは甲子園ボウルが(学生にとっては)最後(の試合)やった。(関学大は)最初のころ出てるけど、もっと準備したら勝つチャンスがあったのに、あの時にうちだけ勝ってへんから。損してんねん。

Q:関学大が出なかったときのライスボウルで印象に残っている試合はありますか?
鳥内:出てへん時?見てへん(笑)。

Q:ライスボウルで印象に残っている選手は誰かいますか?
鳥内:関学の選手はみんな活躍してたよ。畑(卓志郎)も、望月(麻樹)もみんなそれなりに頑張ってくれた。2000年の榊原一生フェイクパントとか、尾崎(陽介)がスクランブルでタッチダウンしたプレーとか。

Q:2021年度からライスボウル社会人同士の戦いということになりますけれども、新しいライスボウルにどういうことを期待されますか?
鳥内:ライスボウルというのはもともとは学生のもんや。俺の時は東西学生オールスター戦だった。また学生に返してほしい。今、全日本大学選手権をがやっているけど、日程が本当に厳しい。それだったら地方と(関東、関西)は実力差があるんだから、甲子園ボウルを東西大学対抗戦に戻して、甲子園勝者も参加してトーナメントで大学の日本選手権をやればいい。それでやったらどうや?と。俺の提案や。

ライスボウルは学生のものやで。社会人を盛り上げるために(学生対社会人)という方式でやったけど、もう充分盛り上げてきた。社会人はすでにNo. 1、ナンバーワン日本一や。社会人は社会人で自分たちでボウルゲームを作ってやったらええ。

Q:鳥内さんの近況を教えてください。
鳥内:本当だったら去年(2020年)に(関学大の監督を)辞めて、啓蒙活動をしたかった。日大のタックル事件あったけど、「いまだにそんなことをやっているのか」と思うようなことが実際に起こっているチーム、競技がたくさんある。関学は違う。80年間の伝統で、そんなことやっていない。そういう活動をしたかったんだけど、コロナのせいで講演活動がキャンセルになった。まだこれからやな。 九州にも行ったり、東京の三井物産本社にも行ったりした。話す相手は企業の役員とか幹部。

Q:また指導者に戻る指導者に戻る気持はないですか?
鳥内:ないない。しんどいねん。35年間も「演技」してたんねんで。言うてることと私生活が違うと(監督は)あかんねん。演技せなしゃあないんや。ほんとは厳しくないねん、俺。オモロイねん。

Q:最後にライスボウル楽しみにしているファンの皆さんに一言メッセージをお願いします。
鳥内:社会人もレベルがだんだん上がっていて、作戦的にもオモロイんちゃう?バリエーションあるし。今のアメリカのカレッジやプロの作戦を用いているから、見どころがいっぱいあるんちゃう?今は外国人がおるけど、彼らと勝負できる日本人がおると面白いなという、そういう見方ができるからな。