【X1 Area】残り18秒での逆転劇　富士フイルムが2点コンバージョン成功でアズワンに1点差勝ち

X１Area秋季リーグ戦第5節第1試合は29日、正午からヨドコウ桜スタジアムにて行われ、アズワンブラックイーグルスと富士フイルムミネルヴァAFCが対戦した。3連勝中のアズワンが14対７とリードしていたものの、試合時間残り1分僅かでタッチダウンを決めた富士フイルムが15-14と逆転で勝利した。

アズワンは初手からラッシングで敵陣46ヤードまで進み、クオーターバック（QB）糟谷啓二郎が投じたパスを右にぬけたワイドレシーバー（WR）川畑一輝がタッチダウンレシーブ。キックも決まり、7点を先制した。続く富士フィルムフイルムの攻撃は、QB鈴木貴史のパスを中心に着々とダウンを更新。しかし、ファンブルによってターンオーバーとなってしまった。

その後は両チーム守備陣が奮闘する。第2クオーターに突入してすぐ、アズワンのラインバッカ―（LB）富治林令士が7ヤードのロスを奪うQBサック。攻守交代後、アズワンはファーストダウン獲得まで残り1ヤードと攻め込むが、ディフェンスバック（DB）内村凌平のタックルに阻まれ、パントを選択した。途中、アズワンが42ヤードのトライに挑戦する場面もあったが、失敗。７対０とアズワンがリードしたまま、前半を終えた。

後半に入ると、富士フイルムはLB益本有人のQBサックやDB内村のタックルでロスを奪い、アズワンの攻撃陣をスリー&アウトで止める。攻守交代後、WR別府紘行の35ヤードパスを成功させ、アズワンの反則もあって敵陣2ヤードとなり、タッチダウンを狙う。しかし、２度の中央ランをディフェンスライン（DL）福山景太やLB富治林に阻止されてしまう。3度目の正直で、ランニングバック（RB）井岡淳がタッチダウンを決めた。

追いつかれたアズワンはランとパスを混ぜながらダウン更新を重ね、徐々にボールを進める。第3クオーター終了間近、WR坂井佑史郎への16ヤードパスで敵陣2ヤードとなり、RB三宅和也の中央ランでタッチダウン。14対７と再びアズワンのリードで最終クオーターを迎えることになった。

最終クオーターはリードを許してしまった富士フイルムの攻撃から始まるも、DB佐古イドリサ泰和によるインターセプトですぐさま攻守交代。続くアズワンの攻撃陣も、フォースダウンでフィールドゴールを蹴るが、フォルススタートの反則で罰退し、パントに追い込まれてしまう。その後、互いの攻防が続き、試合時間は残り1分36秒。自陣18ヤードから、富士フイルムによる攻撃が始まった。RB山田大葵の14ヤードランでフレッシュし、QB鈴木はテンポよくパスを重ねてハーフラインまで攻め込む。試合時間残り1分18秒となり、QB鈴木から左にぬけたWR小山昭瑛への49ヤードパスでタッチダウン。1点差まで詰め寄った富士フイルムは2ポイントコンバージョンを選択する。そして、QB鈴木はパスを投じ、WR安達絹心がエンドゾーン内でレシーブ。逆転が決まった瞬間、今日一番の盛り上がりを見せた。

富士フイルムの朝倉孝雄HCは、試合後、選手に向け「ナイスゲーム！この一勝は大きい！」と称賛した。また、試合前には「うちが勝てるとしたら接戦しかない。緊張の糸を切らずに粘り強く」と選手たちに言い聞かせていたといい、この言葉通り、攻守ともに粘ったプレーをした結果、逆転勝利につながった。次戦に向けては「3勝2敗でプレーオフ出場へのチャンスはあるが、厳しい。とにかく諦めずに粘り強くミネルヴァらしいプレーをしたい」とコメント。第6節品川CC ブルザイズとの戦いは、11月13日に富士通スタジアム川崎にて行われる。