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これぞ王者の風格 悪天候にも負けずに攻守で圧倒した富士通 指揮官は「自分たちのフットボールができた」

2022年11月23日(水) 16:00

富士通フロンティアーズは、20日に横浜スタジアムで行われたライスボウルトーナメント(RBT)クオーターファイナルでアサヒビールシルバースターを攻守で圧倒した。肌寒い気温で時雨模様だったが、昨季王者は、悪天候をものともせず自分たちのフットボールに徹する王者の風格を漂わせていた。

この日の試合、キックスタートのアサヒビールがいきなりオンサイドキックを仕掛けてきた。しかし、富士通は、山本洋ヘッドコーチ(HC)が「何かしら仕掛けてくるとは思っていた。その辺も練習では対策してきた。」と予想しており、相手の奇襲にも動じず、ディフェンスライン(DL)宇田正男がきっちりとリカバーした。この最初のプレーが勝負を決めたのか。富士通は計7タッチダウンを奪えば、守備もわずか114ヤードの喪失でフィールドゴール1本に抑えて大勝した。

セミファイナル進出を決めた富士通の指揮官は、「悪天候の中、しっかりと自分たちのフットボールができて、最終的にきちっと勝利できてうれしく思います」と、満足の様子だった。

わずか3点に抑えたディフェンスについても、「要所でプレーを出されたところがあるけど、1対1の勝負でしっかり勝ち切れるところがあった。タックルミスも少なかったので、安定した良いディフェンスをできた」と及第点を与えていた。

また、後半にメンバーチェンジしてから得点が停滞するレギュラーシーズンからの課題も、後半18点を積み上げて克服した。特に、ランニングバック(RB)三宅昂輝は、最終クオーターの31ヤードタッチダウンランを含む2タッチダウン、チームトップの99ヤードをマークしてエースのRBトラショーン・ニクソンに次ぐ存在を確立させたとも言える。山本HCも控え選手の活躍に目を細める。

「比較的プレー選択に関しても若手が分かりやすいようなプレー選択をした。それをきっちりとパフォーマンスしてくれたことは、今後の準決勝、決勝につながっていくと思う。非常に良かった」。

次戦は、12月12日のエレコム神戸ファイニーズ戦。第4節でも関西で対戦した相手で、その時は前半から31点を奪う猛攻を仕掛けて、38対7の完勝だった。そして、今度の舞台は東京ドームで遠征はない。しかし、「前に対戦した時よりも、ものすごくチームとしてまとまりがでてきている印象。能力の高い選手がいるので、もう一度しっかりとスカウティングして挑みたい」と、連覇を狙うチームの指揮官に慢心はなかった。