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【RBTセミファイナル】オフェンス絶好調の富士通がエレコム神戸下す ライスボウル連覇をかけてパナソニックと2年連続頂上決戦

2022年12月12日(月) 23:59

2022年ライスボウルトーナメントのセミファイナルは12日、Division B 1位の富士通フロンティアーズと同3位のエレコム神戸が東京ドームで対戦。ライスボウル進出をかけた大一番は、全攻撃シリーズを得点につなげた富士通がエレコム神戸を39対21で下し、昨年に続いてライスボウル進出を決めた。

富士通オフェンスは、オープニングドライブからエンジン全開だった。エレコム神戸のファーストドライブをスリーアンドアウトで止めた富士通は、自陣44ヤードからの攻撃でクオーターバック(QB)高木翼がリズム良くパスを決めて着実に前進。さらに、ワイドレシーバー(WR)サマジー・グラントが俊足を飛ばして相手守備を置き去りにしたところに、QB高木がドンピシャのタイミングでロングパスをヒット。34ヤードタッチダウンパスが決まり、富士通が幸先良く先制した。

次の攻撃シリーズをフィールドゴールで加点した富士通は、続くドライブではQB高木とWR松井理己のホットラインが開通して43ヤードゲイン。一気に敵陣まで侵攻すると、ゴール前3ヤードからはランニングバック(RB)トラショーン・ニクソンがエンドゾーンへボールを運び追加点を挙げた。

リードを16点に広げた富士通は、攻撃陣の勢いが止まらない。RBニクソンが相手守備のタックルにも負けないパワフルな走りで81ヤードを獲得し、自陣16ヤードから一気にゴール前3ヤードまで前進。反則で罰退するミスもあったが、仕上げはWR松井の6ヤードタッチダウンレセプションで得点を積み上げた。さらに前半終了間際にもキッカー(K)納所幸司が29ヤードフィールドゴールを沈めて、富士通は大量リードで前半を折り返した。

後半に入ると、富士通が最初のシリーズにフィールドゴールで加点するが、エレコム神戸のオフェンスも徐々に目を覚ます。前半わずかパス28ヤードと低空飛行だったQBデイビッド・ピンデルが、右サイドを縦に駆け上がったWRデビン・フェルプスへ54ヤードのロングボムをヒット。この試合初めてレッドゾーン内に侵入すると、ゴール前6ヤードではQBピンデルがタイミングの早いパスで、WR内田大喜へタッチダウンパスを成功。エレコム神戸がようやくこの試合初得点をスコアボードに刻んだ。

これでモメンタムをつかんだエレコムは、直後のオンサイドキックを成功させて攻撃権をゲット。QBピンデルのパスやランで着実に歩を進め、敵陣30ヤードの第4ダウン2ヤードの場面では見事ギャンブルに成功する執念を見せる。しかし、エンドゾーンまでは遠く、36ヤードのフィールドゴールトライも失敗して点差を詰めることができなかった。

最終クオーターに入ると、ノーガード戦のような撃ち合いとなった。富士通がQB高木とWR松井のコンビでこの日2つ目のタッチダウンパスを決めれば、エレコム神戸もQBピンデルの2ヤードタッチダウンランで応戦。すると、富士通は、K納所がこの日4本目のフィールドゴールをきっちりと成功させる。

試合時間は残り54秒。21点を追うエレコム神戸は、QBピンデルが、前半とは打って変わって次々とパスを通していく。敵陣39ヤードからは、WR小田康平がQBピンデルからのパスをスライディングキャッチしてゴール前1ヤードへ。最後はQBピンデルがRB白神有貴へタッチダウンパスを決めて、2点コンバージョンも成功させるが時すでに遅し。試合終了のホイッスルが鳴り響き、富士通が年始の頂上決戦への切符を手にした。

富士通は、QB高木がパス23回中21回成功、261ヤード、3タッチダウンとほぼ完ぺきのパフォーマンス。WR松井が5回捕球94ヤード、2タッチダウン、RBニクソンもラン7回138ヤード、1タッチダウンと主力がきっちりと結果を残した。

一方、敗れたエレコム神戸は、QBピンデルがパス26回中18回成功、241ヤード、2タッチダウンとまずまずの成績。しかし、守備陣が415ヤード喪失と富士通のオフェンスを止められなかったことが勝敗に響いた。

昨季王者の富士通は、1月3日(火)に東京ドームで実施されるアメリカンフットボール日本選手権プルデンシャル生命杯第76回ライスボウルで、前日にセミファイナルを勝ち上がったパナソニックインパルスと対戦する。シーズンを締めくくる頂上対決は、2年連続同じカードとなった。