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【Frontiers’ road to Rice Bowl 76 Vol. 7】 RBTセミファイナル:タレントぞろいのオフェンスが爆発 全攻撃シリーズ得点でライスボウル連覇に王手<短期集中連載>

2023年01月01日(日) 07:00

ライスボウルトーナメント・セミファイナルの第2試合は東京ドームでは3年ぶりとなるナイトゲームとして開催され、富士通フロンティアーズがエレコム神戸ファイニーズと対戦した。

強肩と俊足を併せ持つエレコム神戸のクオーターバック(QB)デイビッド・ピンデルと富士通ディフェンスのせめぎあいが注目された試合だったが、ふたを開けてみると富士通オフェンスの独壇場だった。最終スコアこそ39-21だったが、前半だけで26-0とリードしたディフェンディングチャンピオンが後半にシュートアウトに持ち込んだエレコム神戸を退けるという展開だった。

この試合の富士通オフェンスはすべてのポゼッションで得点を挙げ、パンター(P)吉田元紀の出番はなかった。それだけではない。オフェンスの中心選手がそれぞれにいかんなく能力を発揮した。それは個人スタッツにも表れている。

エースランニングバック(RB)で今季のXリーグMVPにも輝いたトラショーン・ニクソン(中段写真中央)は7回のボールキャリーで138ヤードを獲得、 1タッチダウンをあげた。1キャリーあたりの平均獲得距離は19.7ヤードという驚異的な数字だ。レシーバー陣では松井理己が5回のパスキャッチで2タッチダウンレセプションを記録。松井をはじめ、サマジー・グラント、木村和喜、藏野裕貴(上段写真右)が1キャッチあたりの平均獲得距離で11ヤード以上をマークした。

QB高木翼は23試投でパス失敗はわずか2回のみ。計3つのタッチダウンパスを成功させた。キッカー(K)納所幸司も4回のフィールドゴールを成功させたが、そのうち3本が40ヤードを超えた(最長は49ヤード)。

セミファイナルという重要な試合で活躍するべき選手たちが自分の仕事を高いレベルでこなしたところに富士通の勝因があった。連覇の懸かるパナソニック インパルスとのライスボウルに向けて理想的な形でオフェンスのピークを迎えたと言っていいだろう。

オフェンスと表裏をなすディフェンスも前半でエレコム神戸をシャットアウトすることで大きく貢献した。エレコム神戸オフェンスの武器であるラン攻撃を87ヤードに抑えた。一方でパスで328ヤードを許したが、これは後半のキャッチアップオフェンスによるところが大きい。

第3クオーター中盤以降は若手選手をディフェンスで起用したこともあり、ピンデル(下段写真中央)に3つのタッチダウンパスを許した。ピンデルのスクランブルランで距離を許す場面もあったが、前半の大量リードがあったために戦局には影響はなかった。むしろ、パスがうまいだけでなくモビリティにも長けるという点でタイプが似ているパナソニックのQBジェイロン・ヘンダーソンに見立てたシミュレーションになったかもしれない。対ピンデルの反省点を洗い出せばヘンダーソン対策もある程度できるだろう。

そして、いよいよパナソニックとの再戦が決まった。勝てば2016-19年の4年連続優勝以来となる連覇の達成だ。第二次黄金期の幕をこじ開ける試合になるかもしれない。FUJITSUレッドのジャージをまとい、ライスボウル無敗神話の新章を綴る。

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