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【Impulse’s road to Rice Bowl 76 Vol.7】RBTセミファイナル:今季初めて経験する劣勢もディフェンスの粘りで逆転勝ち 2年連続でライスボウルへ<短期集中連載>

2023年01月01日(日) 07:00

ライスボウル出場権を懸けたセミファイナルは2年前の王者・オービックシーガルズとの対戦となった。ディビジョンが異なるため、これが今季初顔合わせだ。戦前はレギュラーシーズンでオープニングドライブからタッチダウンを重ねていく試合展開を続けてきたパナソニックのハイパーオフェンスと、前節のクオーターファイナルでノジマ相模原ライズを0タッチダウンに抑えたオービックの鉄壁守備のマッチアップと予想された。

その予想通り、オービックのディフェンスの前にパナソニックは思うようなオフェンスが展開できなかった。最初のオフェンスシリーズは12プレーを費やしたものの攻めきれずにフィールドゴールに終わる。パナソニックがオープニングドライブでタッチダウンをあげられなかったのは開幕節のノジマ相模原戦以来だった。

2度目のポゼッションはパナソニックには珍しいスリー&アウトでパントに追い込まれ、次のオフェンス機会も2つの反則を犯して計17ヤードを罰退した影響もあってパントに終わった。

一方のオービックはクオーターバック(QB)ジェイソン・スミスからタイトエンド(TE)ホールデン・ハフやランニングバック(RB)李卓へのパスが威力を発揮し、第2クオーター中盤までに10-3とリードする。

今季のパナソニックが相手チームにリードを許すのはこの試合が初めて。QBジェイロン・ヘンダーソンからワイドレシーバー(WR)桑田理介(上段写真)への36ヤードパスで同点に追いついたものの、相手をリードできずにハーフタイムを迎えるのも初めてのことだった。

この間にチームを支えたのがディフェンス(中段写真)だ。パナソニックのディフェンスもレギュラーシーズン中の失点は1試合あたりわずか6.2点で、オービックに劣らず堅固さを誇る。この試合ではQBスミスのラン(4回で40ヤード)に手を焼いたものの、荒木延祥監督が「一発での前進を許さなかったことが大きかった」と評したとおり、一気にエンドゾーンを攻め落とされることは防いだ。

事実、この試合のパナソニックディフェンスはオービックのサードダウンコンバージョンを11機会でわずか3回の成功に抑えている。オフェンスがタッチダウンをなかなか奪えない代わりに、ディフェンスもまたオービックオフェンスをエンドゾーンから遠ざけていたのである。

そして、前半終了間際に不運がオービックを襲う。効果的なオフェンスを展開していたQBスミスが足のケガで退場したのだ。後半も復帰することはかなわず、オービックはオフェンスのリズムを崩してしまう。

逆にパナソニックはミッチェルビクタージャモーのタッチダウンランで逆転した後、キッカー(K)佐伯眞太郎の2本のフィールドゴール成功で点差を広げていく。最後は3試合ぶりに復帰したラインバッカー(LB)ジャボリー・ウィリアムス(下段写真中央)がオービックのQB小林優之のパスをインターセプトし、そのまま33ヤードリターンしてタッチダウンを決めてダメを押した。ファイナルスコアは30-10だった。

こうしてパナソニックは無敗のまま2年連続9回目のライスボウル出場を決めた。翌日にはディフェンディングチャンピオンの富士通フロンティアーズもライスボウルに駒を進め、2年連続で同カードによる頂上決戦が実現することになった。ライスボウルではパナソニックブルーのジャージに身を包み、7年ぶり5回目の日本一を狙う。

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