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【Dream Bowl】アメフト経験4年で全日本選抜入りなるか 破格のサイズを持つ早大DL山田

2023年01月09日(月) 20:49

 

社会人の大男がぶつかり合う中でもひと際目立った学生がいた。

早稲田大学4年の山田琳太郎(上段写真右)だ。

1月22日に国立競技場で行われるJapan U.S. Dream Bowlに出場する全日本選抜チーム第一次候補の合同練習3日目が神奈川県川崎市内で行われた。約90名が参加し、Xリーグ連覇を飾った富士通フロンティアーズや、2年連続ライスボウルに駒を進めたパナソニックインパルスなど社会人の猛者がしのぎを削る中で、山田も負けじと自らをアピールした。

身長196センチ、体重120キロの山田のポジションは、ディフェンスライン(DL)。身長180センチ以上、体重100キロを超す選手がゴロゴロいる中でも、山田のサイズは頭一つ抜き出ていた。身長は全日本選抜チーム第一次候補の中では、196センチのオフェンスライン(OL)町野友哉(富士通フロンティアーズ)に次ぐ2番目。その町野とは練習で対峙し、「自分より大きい町野選手とあたれたのは楽しかったです」と、初めての体験に笑顔を見せた。

学生から全日本選抜チーム第一次候補に選ばれたのは、山田含め13名(クロスオーバーアスリート枠の花田秀虎含む)。学生との違いを聞いてみると、「サイズの違いはどうしてもあります。学生はかましにきたりしますが、社会人は体重もあってかまさずに相手をコントロールできます」とテクニックに差があることを痛感した。それでも、「自分の武器はスピードを生かしたブル。それで意外と押せたりしてラッシュがかかったりして、嬉しかったです」と自分の長所が通用したことに白い歯がこぼれる。

中学は野球と陸上、高校は神奈川県内の超進学校に進みラグビーを経験。アメフトを始めたのは早稲田大学に入学してからだった。初めはラクロス部も選択肢にあったそうだが、「新歓に行って、アメフトが凄く楽しかった。早慶戦を見た時に迫力がすごかった」という理由で入部を決めた。ポジションの第1希望はオフェンスラインだった。しかし、コーチから「お前はDLだ」と言われたためディフェンスラインをプレーするようになったという。

1年生の秋からいきなり試合に出場した。立教大学戦で初めてサックを決めると「これでアメフトが好きになりました。気持ち良かったです」と瞬く間にアメフトにのめり込んでいった。以降は周囲の期待に応えるようにメキメキと力をつけ、昨年の甲子園ボウルでは関西学院大学に敗れはしたものの、敢闘選手に選ばれ存在感を示した。

全日本選抜チーム最終メンバー60名は、10日に発表される。その中に学生が6名含まれる予定だ。練習後に日本選抜の指揮を執る山本洋ヘッドコーチは、サイズのある山田を絶賛し、現時点でも通用することを示唆した。アイビーリーグ選抜と真っ向勝負を宣言する指揮官にとって、身長194センチ、体重120キロの山田は大柄な米国人相手でも見劣りせず、十分に戦力となるはずだ。

国際大会は未経験でも、アメフト経験4年目で全日本選抜一次候補まで登りつめた規格外のサイズを持つ山田。体と体のぶつかり合いを楽しむ根っからのフットボーラーは、「スタートとスピードを生かしたブルで相手を押し込んでいきたいです」と強豪アイビーリーグ選抜にも臆せずぶつかっていく構えだ。