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【Dream Bowl 】規格外のスピードが持ち味の関学大DLトゥロターショーン、「米国人相手にしっかりラッシュをかける」

2023年01月16日(月) 10:00

1月22日に国立競技場で行われるJapan U.S. Dream Bowlの日本選抜60名が10日に発表された。Xリーグからは外国籍7名を含む54名、学生からは6名が選出された。その中に、その年の大学最優秀選手に贈られるチャック・ミルズ杯を受賞した関西学院大学のディフェンスライン(DL)トゥロターショーン礼(上段写真右)も含まれていた。

身長188センチ、体重97キロの恵体を持つトゥロターショーンだが、日本選抜の練習では「学生とのレベルの差を感じました。(一番は)サイズ的なところです。自分が小さい方になるのが今まであまりなかったのできついところでした」と社会人との差を痛感した。

それでも、「サイズは負けていたけどスピードでは負けていないと思いました。パスラッシュも、かかるところはかかったと思うので、その辺は負けていないと思います」と自分の長所であるスピードに手ごたえをつかんでいた。確かに、1月9日に行われた日本選抜の練習ではオールXリーグとも言える錚々たる顔ぶれのオフェンスライン相手に勝る場面も見られた。

小学校高学年でタッチフットボールとフラッグフットボールに出会い、アメフトを始めるようになったトゥロターショーン。アメフト以外でもスポーツ万能ぶりを遺憾なく発揮し、小学校低学年でサッカー、高学年でテニスと陸上を経験。さらに中学校では部活で剣道部に入るなど、多くのスポーツに精を出した。そして、関西学院高等部に入学すると、本格的にアメフトをプレーするようになった。

恵まれたサイズと規格外のスピードを兼備するトゥロターショーンはメキメキと実力をつけ、2019年から2年連続でインターナショナルボウル日本高校選抜メンバーに選出された。「(相手の)サイズは大きかったけど、そんなにスキルがあるわけではなかったので勝負できた」と17歳以下のアメリカ代表を相手とも互角かそれ以上にわたり合った当時を振り返る。

大学生になったトゥロターショーンはディフェンスエンドのみだが、それまではタイトエンド、セイフティ、ラインバッカーと様々なポジションをこなしてきた。類まれな才能を考えると、アメリカンフットボールの花形ポジションであるクオーターバックもできそうだが、「できるものならやってみたいですけど、花形をしっかり止めにいくところも面白い」とまだあどけなさの残る顔をほころばせる。続けて、「ディフェンスはオフェンスと違って、どのプレーも自分が絡むチャンスがあります。自分で何とかできるところがディフェンスの面白いところ。そいうところが好きです」と答えた。本能のままに動き、相手を仕留める。トゥロターショーンは生粋のディフェンダーなのだろう。

今回の日本選抜に選ばれた大学生は、身長188センチのトゥロターショーンをはじめ、身長196センチの山田琳太郎(早稲田大学)、身長185センチの花田秀虎(日本体育大学)とサイズがありながらもスピードがある逸材がそろう。「デカくて速い」が、昨今の大学生フットボーラーのトレンドとなりつつある。日本選抜のディフェンスラインをコーチするエレコム神戸ファイニーズの時本昌樹ヘッドコーチは、「ああいうサイズ感で、かつ動ける選手は日本のフットボール界にとっては宝だと思うので、このまましっかりとトレーニングして、日本規格ではないレベルでプレーしてもらえるようなスケールの大きい選手になってもらいたい」と、大きな期待を寄せる。

トゥロターショーンが高校からアメフトを始めた理由は、「NFLを見ていたら、自分も大舞台で活躍したいと思ったから」。伸び盛りの21歳は、いつかは世界最高峰のリーグでプレーすることに思いを馳せているのかもしれない。22日に戦うアイビーリーグ選抜は、4月から4回生となるトゥロターショーンにとっては同年代で、現在の実力を試す格好の相手だ。

「チャレンジャーの気持ちで自分の全力を出して、負けても勝っても思い切りプレーしたい。そして、結果を残せたらと思っています。アメリカ人相手にしっかりラッシュをかけるところを見てもらいたいです」。

昨年12月に甲子園ボウルを制した大学年間最優秀選手は、本場のフットボールを知る相手にも臆さず全力でぶつかる構えだ。