【X1 Super】決勝リターンマッチは攻守にペースをつかんだ富士通が圧倒
2019年08月26日(月) 06:59Xリーグ史上初めて上位8チームの総当たり制に改編されたX1Superの開幕戦が24日、富士通スタジアム川崎で開催された。昨年のジャパンXボウルと同じ顔合わせとなった富士通フロンティアーズとIBMビッグブルーとの対戦は、富士通が55-13で圧勝、好スタートを切った。
先制したのはIBM。第1クォーター最初のシリーズで、QB政本悠紀(#2)がパスとランをおりまぜ、じっくり攻め込む。タッチダウンパスを失敗したが、K佐藤敏基(#11)の27ヤードフィールドゴールで先制した。
富士通はディフェンスが流れを呼び込み、DL山崎奨悟(#69)のQBサックで大きくロスさせた直後に、LB趙翔来(#44)がインターセプト。このチャンスに、今季新加入したRBグラント・サマジー(#29)のレシーブとランでロングゲインを重ね、第1クォーター10分48秒、QBバードソン・マイケル(#3)がWR中村輝晃クラーク(#81)に、31ヤードのタッチダウンパスを決めて逆転 。7-3とした。
IBMは再びK佐藤のフィールドゴールで6-7と迫るが、富士通もすぐにRBウイリアム・デレクアキラ(#26)のタッチダウンランで突き放し、14-6とリードを広げた。これで富士通はディフェンスが勢いづき、QBやレシーバーにプレッシャーをかけてダウン更新さえ許さなくなるが、IBMのパントの際に反則を犯し、流れが途切れかかる。
しかし富士通ディフェンスは集中力を高め、IBMのQB政本からのパスを受けたレシーバーにDB藤田篤(#7)が強烈なタックルでファンブルを誘い、こぼれ球をベテランLB高崎顕信(#54)がリカバー。
さらに前半終了間際、立て続けにディフェンスがターンオーバーを奪い、RBグラントが2タッチダウンを決め、27-6とIBMを突き放して試合を折り返した。
後半に入って、富士通オフェンスはQBバードソンのパス精度が高まる。
最初のシリーズでテンポよくパスを決めて攻めあがり、第3クォーター1分24秒、QBバードソンからWR中村へ、この日2本目のタッチダウンパスが決まる。34-6とリードを大きく広げ、IBMの反撃を前に試合をほぼ決定づけた。
富士通はその後も攻撃の手を緩めず、交代出場したQB高木翼(#18)が2タッチダウンパス、QB平本恵也(#12)もタッチダウンパスを決め、層の厚さを見せつけた。
ディフェンスは実に5インターセプトを奪ったが、そのうち3インターセプトはレシーバーへのハードヒットから生まれたもので、IBMオフェンスに大きなプレッシャーを与え続け、IBMは第4クォーターにタッチダウン1本を返すのがやっとだった。
接戦が期待された開幕戦だったが55-13と大差がつき、4連覇を目指す富士通の強さが際立つ結果となった。
今季、藤田智前ヘッドコーチ(今季からシニアアドバイザー)から引き継いだ山本洋新ヘッドコーチは試合後、「初めての試合だったので、勝ててよかった」と、安どの表情を浮かべたが「点差は開いたが、修正すべき点、反省するところはたくさんある。オフェンスはもっとプレーの精度を上げ、ディフェンスもタックルミスなどを無くさなければ」と、気を引き締めた。
そして次戦のパナソニックインパルス戦に向けて「久しぶりの対戦なのでしっかりゲームプランを立てたい。特にディフェンスに外国人選手が多いので、その辺の対策を立てたい」と話した。
IBMのクラフト・ケビンヘッドコーチは「ターンオーバー、ファンブルが多過ぎた。アサイメントミスもとても多く、アンラッキーも」と険しい表情。
次のノジマ相模原ライズ戦に向けて「今日何が起こったか、くよくよ後悔している場合ではない。私たちにできるのは次戦に向けて集中するだけ」と話した。
Text 福永美佐子
Photo エムアイプランニング