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【神戸ボウル】ライスボウルの再戦となった神戸ボウルは両雄相譲らず3-3の引き分け 両チーム優勝に 

2023年06月10日(土) 21:59

春恒例の神戸ボウルが10日、神戸市灘区の王子スタジアムで行われた。対戦は今年1月3日のライスボウルで連覇を達成した富士通フロンティアーズと惜しくも敗れたパナソニック インパルスの激突。ともに守備陣が踏ん張り、3対3の同点で両チーム優勝となった。

試合後の富士通山本洋ヘッドコーチもパナソニック荒木延祥監督も異口同音に、春の最終戦となったこのゲームで、秋のシーズンに向けての課題が見つかった。足らないところを補い強化していくと確かな手応えをつかんだ様子だった。

試合は第1クオーターから地味な攻防が続いた。富士通は先発クオーターバック(QB)こそ野沢研だったが、攻撃の第2シリーズから試合終了まで司令塔を任されたのは「今年一般入部してきてまだまだ未熟ながら、コーチ陣からの指示通りにプレーをきっちりこなし、さらに上のレベルでやれる」と山本HCが評価する新人の濱口真行(関大卒)だった。

濱口はパナソニックの強力守備陣に動揺しない冷静なプレーで攻撃を展開するものの決め手を欠き、なかなか得点圏内に入れない。

一方のパナソニクもグリーンボウルMVPのQB石内卓也を先発させたが、ファーストダウンが奪えない。前半を終了してスコアレスのにらみ合い。特にパナソニックは前半の総獲得ヤードが10ヤード(パス獲得7ヤード、ラン獲得3ヤード)と富士通守備陣に押さえ込まれファーストダウンを1度も更新出来なかった。

試合が動いたのは第3クオーターだ。

パナソニックは後半最初のオフェンスシリーズでQB荒木優也を投入。荒木はベンチの期待にこたえてスクランブルランでこの試合初めてのファーストダウンを奪う。続いてワイドレシーバー(WR)木戸崇斗へのパスでファーストダウンを連続更新。そしてWR桑田理介へのパスで敵陣に入る。さらに再び木戸への34ヤードパスをヒットさせてゴール前5ヤードに迫る。

しかしながら、富士通ディフェンスがタッチダウンパスを防ぐなどの堅守をみせてエンドゾーンへの進入を許さない。パナソニックはフィールドゴールを選択。キッカー(K)佐伯栄太が26ヤードのキックをきっちり決めて3-0とする。

その後の攻撃で富士通は自陣36ヤードからWR小梶恭平へのパス、スクランブルランとランニングバック(RB)香川将成のランなどでファーストダウンを更新してエンドゾーン3ヤード付近まで攻め込んだ。ところが、タッチダウンを狙ったパスは3回とも不成功。K納所幸司が第3クォーター残り1分38秒に30ヤードのフィールドゴールを決めて3-3の同点に持ち込んだ。

最終クオーター開始11秒に富士通QB濱口の投げたパスをラインバッカー(LB)西岡英士がインターセプトして攻守交代。しかし、このチャンスを追加点獲得に生かすことは出来なかった。

そして1分54秒にはパナソニック新人ディフェンスバック(DB)西田健人がインターセプトして敵陣45ヤードまでリターン。しかし、その後のオフェンスで富士通DB田中彰人がパナソニックのパスをインターセプトして攻撃権を再び奪い返す。ただし、ここで得たポゼッションでも敵陣に入ることが出来なかった。

パナソニックはWR成田光希への35ヤードロングパス、RB牧田圭祐のランなどでファーストダウンを更新して相手エンドゾーン手前5ヤードまでボールを運ぶが、富士通ディフェンスが前進を許さない。パナソニックは23ヤードフィールドゴールを狙うも失敗に終わる。

その後、自陣14ヤードから攻撃を開始した富士通は、順調にファーストダウンを更新して敵陣5ヤードまで攻め込む。タッチダウンで引き離したい場面だったが。パナソニックの強力ディフェンスにタッチダウンを阻まれ、フィールドゴールで逆転を狙うも失敗。

一方のパナソニックは試合残り1分2秒で決まれば決勝点となる51ヤードフィールドゴールに挑むも失敗に終わり、そのまま試合が決した。

このゲームのMVPは7回のパント(最長54ヤード)でトータル309ヤードを記録したパナソニックのパンター(P)の小林真大が、MIPは富士通の納所がそれぞれ選ばれた。