【X1 Super第1節の見どころ】オービックシーガルズが昇格組の電通キャタピラーズに春季パールボウル王者の風格を見せつけるか

2023年のX1 Super秋季リーグ開幕節は10日、オービックシーガルズ対電通キャタピラーズの一戦が第一カッターフィールド（秋津サッカー場）で開催される。春のパールボウルトーナメントで優勝したオービックが、今季から昇格した電通に春季王者の風格を見せつけられるか。

今年から大野洋ヘッドコーチ（HC）体制になって、いきなり春シーズンで結果を出したオービック。その原動力となったのは圧倒的なディフェンス力だった。デストロイヤーズの愛称通り、カーデル・ローリングス、仲里広章、板敷勁至、清家拓也らで形成される前線からのラッシュは破壊力抜群。最後方では、クオータバック（QB）からディフェンスバック（DB）へ転向したジェイソン・スミス、指揮官が期待を寄せるDB坊農賢吾らが目を光らせ、最前線から最後方まで穴らしい穴が見つからない。

攻撃では、新しく加入したQBタイラー・クルカに注目する。NCAA（全米体育協会）より規模が小さいNAIA所属のローレンステクノロジカル大出身の26歳は、クイックリリースと正確なパスが持ち味だ。パールボウルトーナメントでは決勝の数プレーに出場しただけだったので、秋シーズンが本格的なデビュー戦となる。クルカのターゲットは、副将の西村有斗、パナソニックインパルスから移籍したスピードスターの渡邊ジャマール、昨季のチーム内オフェンスMVPに輝いたホールデン・ハフなど実力派が顔を揃える。また、地上戦では、CFLで2シーズン過ごすなど海外経験が豊富な主将のランニングバック（RB）李卓にビッグプレーの期待が集まる。

対する電通は、昇格初年度の初戦から強豪チームに一泡吹かせたいところだろう。攻撃の要は、昨秋のX1 Areaで無双状態だったQBアーロン・エリス。17個のタッチダウンに対して、インターセプトはわずか1。正確なパスで、チームの昇格に大きく貢献した。X1 Super屈指のオービック守備陣にどこまで通用するかが勝負のカギを握る。

守備陣では、深川匠HCが今季の注目選手に挙げた主将のディフェンスライン（DL）小林貴が中心だ。法政大学出身の30歳は、体重183センチ、体重105キロと豊富なサイズの持ち主。身長185センチ、体重115キロの松原寛志ら巨漢がそろうオービックオフェンスラインとの勝負は見ごたえがありそうだ。