【X1 Super】相手のミスから一気に逆転、序盤の天王山は富士通に軍配
2019年09月08日(日) 23:57
X1Super初代チャンピオンを目指す東西のライバルが、早くも第2節で激突。開幕戦でIBMビッグブルーに55-13で圧勝した富士通フロンティアーズと、ノジマ相模原ライズに24-0で完封勝ちしたパナソニックインパルスの対戦は、気温30度を超える厳しい残暑の中で行われた。
試合は、パナソニックが最初の攻撃をタッチダウンに結び付けて先制したが、第2クォーターに富士通が3タッチダウンを挙げて逆転。後半も富士通が攻守でパナソニックを上回り、45-27の快勝で今季2勝目を挙げた。
パナソニックのキックオフで試合開始。
自陣25ヤードから始まった富士通最初の攻撃は、QBバードソン・マイケル(#3)がノーハドルでテンポよく攻め込んだが、3rdダウン8で、パナソニックのLBワイズマン・モーゼス海人(#40)にQBサックを奪われ、パントに終わる。
自陣30ヤードからのパナソニック。新加入のQBロウレンス・アンソニー(#18)のパスと、RBミッチェル・ビクター・ジャモ―(#5)のランなど3プレーで敵陣に入り込み、WR木下統之(#22)へのスクリーンパスも決まってゴール前2ヤードに迫る。
ここでパナソニックは、攻撃ラインを8人並べ、RBミッチェルが連続キャリーで先制タッチダウン。5分30秒かけたドライブは13プレー中、8回がRBミッチェルのプレーだった。
しかしその後は、富士通ディフェンスがパナソニックの攻撃にアジャスト。QBロウレンスにプレッシャーをかけ、要所でRBミッチェルのロングゲインも阻む。富士通4回目の攻撃がパントに終わろうとしたときに、ビッグチャンスが訪れた。
富士通P吉田元紀(#39)が自陣20ヤード付近で蹴ったパントは、追い風に乗ってグングン伸び、ゴール前10ヤード付近まで飛ぶ。パナソニックのKRワイズ・ダニエル(#12)がキャッチミスしてボールを弾く。これを富士通DB小椋拓海(#8)がすかさずリカバーして、富士通がゴール前10ヤードからの攻撃権を手に入れる。
ここからの2プレー目、QBバードソンがWR森田恭平(#86)へタッチダウンパスをヒット。7-7の同点に追いついた。
勝ち越しを狙う富士通は、前半残り1分53秒自陣39ヤードからの攻撃でチャンスをものにする。
QBバードソンがパスラッシュをかわして自らロングゲイン。そしてQBバードソンからWR松井理己(#85)への23ヤードタッチダウンパスが決まって、14-7と富士通がリードした。
富士通の勢いは止まらず、直後のパナソニックの攻撃2プレー目にレシーバーがファンブルしたボールを富士通DB奥田凌大(#23)がリカバーして攻守交替。
ここもQBバードソンが一発でRBサマジー・グラント(#29)に25ヤードのタッチダウンパスを決め、21-7と富士通がリードして前半を終了した。
後半開始直後のパナソニックの攻撃で、富士通ディフェンスはダウン更新を許さず攻撃につなげる。
QBバードソンが1ヤードのタッチダウンランを決めて28-7。さらにその次の攻撃でも、またもQBバードソンが16ヤードのタッチダウンランを決めて35-7とし、試合を決定づけた。
粘るパナソニックは、早いテンポのパスオフェンスに切り替え2タッチダウンを返したが、富士通も1タッチダウンと1フィールドゴールを加え、ファイナルスコア45-21で、追いすがるパナソニックを振り切った。
開幕2連勝となった富士通の山本洋ヘッドコーチは「点差はこうなったが、気の抜けない試合だった」と、リーグ前半の難関をクリアして安堵の表情を浮かべる。「ディフェンスに怪我人が多かったので苦戦し、ドライブをつなげられてしまったが、止めるべきところで止められた。オフェンスもチャンスをきちんとスコアに結びつけられた」と、選手を称えた。
次戦については「ライズ戦に向け、しっかり準備をしたい。周囲からもよく4連覇をと言われるが、まずは1勝ずつ積み上げていきたい」と話した。
一方、パナソニックの荒木延祥監督は「前半最初(得点できた攻撃)だけ、ウチがやりたいことをできたのは。現時点で実力差がだいぶあると思う」。さらに厳しい表情で「ターンオーバーでリズムを崩したとしても、たかが1本と思って切り替えられないとチャンピオンにはなれない」と話した。
次はIBMビッグブルーと対戦するパナソニック。荒木監督は「去年負けている相手なので、集中して準備し、リベンジできるよう頑張りたい」と気合いを入れた。
Text 福永美佐子
Photo エムアイプランニング