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【X1 Super】激しいシーソーゲームの末、IBMが今季初勝利

2019年09月09日(月) 17:26

ともに開幕戦で苦杯を喫したIBMビッグブルーとノジマ相模原ライズの対戦。IBMは富士通フロンティアーズに8タッチダウンを奪われて大敗。ノジマ相模原はパナソニックインパルスに完封負け。どちらも初白星を挙げて立て直しを図りたい重要な一戦。
試合は激しい点の取り合いとなり、終盤反則が相次いだノジマ相模原に対し、チャンスをうまく得点に結びつけたIBMが41-35で接戦を制した。

IBMのキックオフで試合開始。ノジマ相模原の新人KR西川大地(#14)の53ヤードビッグリターンで、敵陣43ヤードから最初のシリーズが始まる。
QBジミー・ロックレイ(#11)からWR八木雄平(#85)への6ヤードパスが通ったあとの2ndダウン4。本来DBのクエンティン・ジョーンズ(#30)がWRに入り、タッチダウンパスをキャッチ。「勢いに乗るためにタッチダウンを狙ったプレーが決まり、最高の入りだった」(須永恭通監督)。
ノジマ相模原はその次の攻撃も、QBジミーからWR伊藤雅恭(#23)への27ヤードタッチダウンパスが決まり、14-0とリードを広げた。

DBクエンティン・ジョーンズ(#30)
開始早々、DBのクエンティン・ジョーンズ(#30)がタッチダウンパスを決め先制点

 

IBMの攻撃2シリーズ目。先発したヘッドコーチ兼任のQBクラフト・ケビン(#3)がテンポよく攻め込み、3連続ダウン更新して敵陣27ヤードらTE松岡直希(#87)へのタッチダウンパスを決めて7-14とした。

しかし次の攻撃でQBクラフトのパスがノジマ相模原のDBリー・ハイタワー(#7)にインターセプトされて流れに乗り切れず、逆にノジマ相模原が、その次の攻撃をタッチダウンに結び付けて21-7とリードを広げ、第1クォーターが終了。

第2クォーターはIBMがペースを取り戻す。
ノジマ相模原にゴール前5ヤードまで攻め込まれた場面で、RB吉田光輝(#29)に対しDL佐久間広樹(#93)が強烈なファンブルフォース。これをDB中谷祥吾(#1)がリカバーし、攻撃を断ち切る。

ディフェンスの好プレーで得たチャンスを2番手のQB政本悠紀(#2)が活かし、ロングゲインを重ねて一気に敵陣へ攻め込む。ノジマ相模原ディフェンスの反則も重なり、ゴール前5ヤードまで攻め込むと、QB政本がタックルを受けながらもWR白根滉(#82)にタッチダウンパスを通し、14-21と詰め寄った。
さらにQB政本は、RB伊藤隆貴(#28)へ37ヤードのタッチダウンパスを決め、21-21の同点に追いつく。

QB政本悠紀(#2)
第2クォーター、1分57秒。QB政本悠紀(#2)がタッチダウンパスを通す

 

その次の攻撃で、ノジマ相模原は勝ち越しを狙ってK鈴木健太(#13)が30ヤードのフィールドゴールを狙うが、IBMのプレッシャーを受けて失敗。
逆にIBMは、前半終了直前にK佐藤敏基(#11)が41ヤードのフィールドゴールを決め、24-21と勝ち越して試合を折り返した。

後半に入っても点の取り合いが続く。
第3クォーター、IBM最初の攻撃でQB政本がTE細谷海斗(#88)へ28ヤードタッチダウンパスを決めて31-21とリードを広げると、ノジマ相模原もQBジミーからWR伊藤(雅)への20ヤードタッチダウンパスで食い下がる。

IBMがゴール前11ヤードに迫った4thダウン1からのギャンブルを失敗すると、ノジマ相模原にビッグプレーが飛び出す。自陣37ヤードからの2ndダウン8。QBジミーがWR伊藤(雅)に、この日3本目となる63ヤードのタッチダウンパスをヒットさせ、ノジマ相模原が35-31と逆転した。

終盤に入りシーソーゲームの展開が一層スリリングになり、スタンドも盛りあがる。
IBMは再逆転を狙って積極的に攻撃をしかけ、QB政本がスクランブルランでロングゲインしたが、強烈なタックルを受けて負傷退場。交代で入ったQBクラフトが冷静にドライブし、RB伊藤(隆)がタッチダウンランを決め38-35と再逆転に成功した。

RB伊藤隆貴(#28)
第4クォーター、RB伊藤隆貴(#28)が相手ディフェンスをかわし再逆転タッチダウン

 

次の攻撃でもIBMはフィールドゴールを決め、41-35とリードを広げたが、試合終了までは2分48秒を残し、緊迫感がさらに増す。

何としてもタッチダウンを取りたいノジマ相模原は、自陣33ヤードからの攻撃に入る。
ホールディングの反則で10ヤード罰退したものの、QBジミーの26ヤードランでダウン更新、自陣49ヤードまで進んだ。
ここで敵陣深く切り込もうとQBジミーが放ったパスを、IBMのDB矢部伯門(#20)が狙いすましてインターセプト。攻撃権はIBMにわたり、そのまま逃げ切って今季初勝利を手にした。

「怪我人がとても多く、ベストメンバーではなかったが、非常に重要な試合をチーム全員の力で勝てて嬉しい」と、接戦を競り勝ったIBMのクラフトヘッドコーチ。「前半はミスやターンオーバーが出てよくない内容だったが、政本が入って流れが好転し、チャンスをスコアにつなげられてよかった」。疲労と安堵の表情がこぼれた。
次戦については「パナソニックのことはこれから考える。今日の試合のことに集中していたから、次はこれから」と話した。

あと一歩及ばず2連敗となったノジマ相模原の須永ヘッドコーチは「ファーストシリーズでタッチダウンを決めて最高の入りだったが、要所で決めきれなかった」と、話し「こういう負け方をすると体も心も痛い。週末までにコンディションを整えて、次の試合の準備をしたい」。
次は富士通フロンティアーズとの対戦。「チャンスはある。2連敗しているが対等に戦えると思っている」と話した。
打倒富士通を狙うノジマ相模原のチャレンジで、X1Superは一段と盛りあがりそうだ。

Text  福永美佐子
Photo  エムアイプランニング

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