【X1 Super】IBMが逆転勝ちで無傷の4連勝 敗れたディアーズはRBT進出が崖っぷち
2023年10月21日(土) 22:29
X1 Super第4節のIBM BIG BLUE対胎内ディアーズが21日、富士通スタジアム川崎で行われた。IBMは終盤までリードを許す苦しい展開だったが、最終クオーターにひっくり返し27対14で逆転勝ちして開幕からの連勝を4に伸ばした。一方、勝ち点を積み上げることができなかったディアーズは、ライスボウルトーナメント進出が崖っぷちに立たされた。
薄暮にキックオフし照明に明かりが灯された中での一戦、第1クオーターは両者譲らない展開だったが、第2クオーターで一気に試合が動く。ディアーズは、ランニングバック(RB)川村龍ノ介がIBMのタックルをかわして左サイドを駆け上がる33ヤードランで、一気にレッドゾーン内へ進入。さらに、RB千代修平が中央を突く力強いランでゴール前5ヤードまで迫ると、ラストは新人クオーターバック(QB)島津享寿がオフタックルを突いて自らエンドゾーン内にボールを運ぶ先制のタッチダウン。好調チーム相手の先取点に、ディアーズ観客席からは驚きともとれるどよめきが起きた。
先制を許したIBMは、ローガン・スチュワードが56ヤードをゲインする好リターンで敵陣43ヤードからオフェンスを開始。この好機にQBビクター・ビラモンテスの24ヤードパスなどでボールを進めると、とどめはQBビラモンテスがターゲットを探しながら右にロールアウトし、エンドゾーン内のワイドレシーバー(WR)鈴木隆貴へストライクの16ヤードパス。WR鈴木は相手守備にマークされながらも執念でつかんだボールを離さなかった。IBMは直前のプレーがビデオ判定によってタッチダウン取り消しとなったが、仕切り直しのプレーで試合を振り出しに戻した。
追いつかれたディアーズはすかさず主導権を握る。川村が55ヤードのナイスリターンで好ポジションからオフェンスをスタートさせると、このチャンスにQB大和田昌太郎が37歳のWR前田直輝へパス成功。キャッチしたベテランレシーバーは、エンドゾーンの右コーナーへ気合で飛び込み、ディアーズがわずか1プレーで勝ち越しに成功した。
その後はターンオーバーの応酬でスコアボードは動かず、ディアーズの7点リードで後半へ突入した。
後半に入ると、お互いに攻撃の糸口をつかめず、ターンオーバーの連続で攻守が目まぐるしく入れ替わる。この展開を打破したのがIBM。ディフェンスバック(DB)小阪田裕介のインターセプトで攻撃権を得たIBMは、RB加藤大資の力強いランなどで着実にゲインして前進する。さらにディアーズの反則も手伝いゴール前5ヤードまで歩を進めると、QB政本悠紀がエンドゾーン内の新人WR熊井優祐へ同点のタッチダウンパスを成功させた。
最終クオーターに同点に追いつき勢いが出たIBMは、ディフェンスも奮闘して素早い出足でディアーズオフェンスを封じる。そして自陣16ヤードからの攻撃では、QB政本が左腕から繰り出すパスが次々と決まり、敵陣まで攻め入る。仕上げもQB政本が自らエンドゾーンまでの27ヤードを走り切り、IBMがこの試合初めてリードを奪った。
追う立場になったディアーズは、田頭建佑のナイスキックオフリターンで好位置から攻撃をスタートし、QB大和田の手堅いパスなどで着実に前進する。しかし、ゴール前8ヤードまで攻め込みながら、第4ダウン4ヤードでタッチダウンを狙ったパスがIBMのDBローガンにインターセプトされてしまった。自陣で値千金のビッグプレーを決めたローガンは、そのままディアーズ陣のゴールまで98ヤードの一人旅。IBMはローガンの見事なピックシックスで、粘るディアーズに引導を渡した。
悔しい敗戦を喫したディアーズは、自力でのRBT進出が消滅。RBT進出は、現時点で2試合を残す同じ勝ち点1のエレコム神戸ファイニーズの結果に委ねられることになった。