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初のRBT出場の東京ガス、ワンランク上に行くために必要なのは「平常心」

2023年11月13日(月) 13:00

【電通キャタピラーズ戦で1TDランを記録した東京ガスクリエイターズRB星野凌太朗(中央) ©X LEAGUE】

東京ガスクリエイターズが4日に横浜スタジアムで行われた第5節の電通キャタピラーズ戦に勝利して、初のライスボウルトーナメント(RBT)出場を決めた。昨年は順位決定戦に回り残留を決めたチームが、わずか1年でプレーオフへの切符を手にした。

「ホッとしました」と試合後に胸をなでおろしたのは東京ガスの板井征人ヘッドコーチ。

この日は立ち上がりから猛攻を仕掛けて、31点リードで前半を折り返した。しかし、後半に電通の反撃にあい、一時は2ポゼッション差まで追い上げられた。

主将のディフェンスバック(DB)松倉健雄は、この時のチームの雰囲気を「悪かった」と振り返る。

その重苦しい雰囲気の中で、新人のランニングバック(RB)星野凌太朗がタッチダウンランを決めて突き放した。指揮官も星野のプレーを褒め、「体は小さいけど、状況に応じてプレーをできている。もっと体を鍛えて、日本のトップのバックになってくれたらと思います」と新人ランナーの将来の成長に期待を寄せていた。

実は東京ガスはこの日も含めて、今季の5試合すべてにおいて第3クオーターに得点を取れていない。後半の立ち上がりの悪さについては板井HCと主将も、大きな課題ととらえている。

【東京ガスの板井征人HC  ©X LEAGUE】

後半の立ち上がりが悪いことの理由について、指揮官は次のように説明する。

「ずっとベストメンバーを組めなくて、この試合の前半だけベストメンバーを組めた。後半の立ち上がりもベストメンバーでいければ、ちゃんとしたフットボールは展開できると思います」。打開策については、「ケガ人がここから出てくると思うので、レギュラークラスの向上とともに、彼らに続く控えの選手が力をつけていくことで、前に進んでいけると思います」と述べた。

19日に行われるRBT1回戦(クオーターファイナル)の相手は、富士通フロンティアーズ。昨季王者は、倒すのに簡単な相手ではない。板井HCは、大一番前に圧勝ではなく追い上げられた試合を経験できたことを前向きにとらえる。

【電通QBアーロン・エリス(左)にプレッシャーかける東京ガスDLマット・マクレラン(中央)  ©X LEAGUE】

「僕らはそんな強くないのであのまま綺麗に勝っちゃうとみんな慢心するところもあるので、そういう意味では良かったかなと思います。いい経験になったと思います」。

松倉はチームの変化に手ごたえを感じつつも、チームメートにメンタルの成長を促す。

「良くなっては来てはいるけど、やばくなってからやばいと思い、まだふわふわしたチームなので気持ちの準備ができていない。常に最悪の想定じゃないですけど、次のことを考えておかないといけない。気持ちを切らさないことが強いチームだと思います」。

平常心を保ち、逆境にも動じないチームになった時、東京ガスは常勝チームへの階段を一段上がる。その第一歩として、富士通戦は大事な一戦となる。