【X1 Super】IBMが残り4秒から56ヤードFG成功で劇的な逆転勝ち RBTセミファイナルへ進出
2023年11月19日(日) 15:44
X1 Superは19日にライスボウルトーナメント(RBT)が開幕し、横浜スタジアムの第1試合目は、Division A2位IBM BIG BLUEとDivision B3位ノジマ相模原ライズが対戦した。終盤まで勝負の行方が分からないしびれるような展開となった一戦は、IBMが残り4秒から56ヤードフィールドゴールを成功させて、24対21の劇的な逆転勝利を飾った。勝ったIBMは、セミファイナルへ駒を進めた。
前半はノジマ相模原のペースで進んだ。IBMのファーストドライブがフィールドゴール失敗に終わり、自陣26ヤードから攻撃権を得たノジマ相模原は、このシリーズ3プレー目にクオーターバック(QB)カート・パランデックが左サイドから内に切れ込んできたワイドレシーバー(WR)クリス・ヴォーンへタイミングばっちりのパス成功。キャッチしたWRヴォーンは、トップスピードで一気に相手守備を置き去りにして、そのままエンドゾーンへ駆け込み、ノジマ相模原が幸先良く先制した。
さらに、ノジマ相模原は、ディフェンスライン(DL)フィリップ・レッドワインがファンブルを誘発して、こぼれたボールをDL坂本崇がリカバー。自陣49ヤードで攻撃権を奪うと、この好機にQBパランデックからWRヴォーンへのパス、ランニングバック(RB)吉澤祥のランプレーなどでゴール前2ヤードまで侵入。すると最後は、QBパランデックが自らのランでタッチダウンを奪い加点した。しかし、トライのキックは失敗に終わり、ノジマ相模原が第1クオーターで13点をリードした。
立ち上がりからオフェンスが波に乗り切れなかったIBMだが、QBビクター・ビラモンテスのラン、政本のパスなどIBM自慢のQBコンビがオフェンスにリズムをもたらす。ゴール前1ヤードまで進むと、最後はQBビラモンテスがエンドゾーン内に突っ込み、前半の終盤にようやくスコアボードに得点を刻んだ。
後半の序盤こそノジマ相模原ペースが続いたが、IBMも徐々にリズムをつかみ始める。後半キックスタートのノジマ相模原は、いきなり自陣まで攻められる窮地を迎えるも、ここで前半3サックを決めるなど絶好調のDLレッドワインがインターセプト。敵陣30ヤード以内まで戻し、一気にピンチをチャンスに変える。守備陣がつかんだ得点機に、RB小林篤実が右オープンを駆け抜け加点。さらに2点コンバージョンも成功させ、ノジマ相模原はリードを14点に広げた。
これ以上点差を離されたくないIBMも、QBビラモンテスやWR近江克仁のランプレーなどで敵陣深くまで攻め入る。そして、敵陣23ヤードでは、ルーキーRB平松的が相手タックルを振り切る力強いランでタッチダウンを奪った。
さらにIBMは、ノジマ相模原のフォースダウンギャンブルを止めて自陣35ヤードから攻撃権をゲット。このチャンスに自軍もフォースダウンギャンブル成功などで果敢に攻め立てると、敵陣22ヤードでQBビラモンテスがノジマ相模原ディフェンスからのプレッシャーを受けながらもパス。これをエンドゾーン内中央で待ち構えていたタイトエンド(TE)ジョン・スタントンががっちりキャッチ。トライのキックもきっちりと決めたIBMは、最終クオーター序盤についに試合を振り出しに戻した。
その後はお互いのディフェンスが踏ん張りスコアボードが動かない中で迎えた試合残り4分30秒。自陣17ヤードから攻撃をスタートさせたノジマ相模原は、RB吉澤のランなどで時間を消費しながら着実に前進。そして、満を持して勝ち越しの43ヤードフィールドゴールを狙うも、K佐藤太希のキックは惜しくも距離が足らずに失敗した。
逆に試合残り1分4秒から勝ち越し機を得たIBMは、タイムアウトが残されていない中でQB政本が素早いパスでオフェンスを展開する。そして残り4秒、K福岡勇斗の56ヤードフィールドゴールトライは、福岡の右脚から放たれたボールが綺麗な弧を描きポストの中央を通過。この瞬間、IBMのセミファイナル進出が決まり、IBMサイドには歓喜の輪ができ上った。