【RBTセミファイナル】パナソニックがIBMの猛追を退けて大勝 3年連続のライスボウルへ
2023年12月10日(日) 21:34
ライスボウルトーナメント(RBT)セミファイナル第1試合は10日、大阪市東住吉区のヨドコウ桜スタジアムで13:00にキックオフされた。リーグ戦から勝ち続けているパナソニック インパルス(Division A 1位)が、リーグ戦を4勝1敗で終えてRBTクオーターファイナルでノジマ相模原ライズをサヨナラフィールドゴールで破ったIBM BIG BLUE(Division B 2位)を相手に前半から試合を有利に進めて最終クオーターに2タッチダウン、 1フィールドゴールを挙げて47‐23と圧勝した。この勝利でパナソニックは3年連続10回目(現行制度になってからは3度目)のライスボウル進出を決めた。
パナソニックはIBMの最初の攻撃シリーズをパントに終わらせ、IBM陣内44ヤードから攻撃を開始。6プレーで敵陣23ヤードまで進んだが、エンドゾーンに持ち込めず、39ヤードフィールドゴールをキッカー(K)佐伯眞太郎がきっちり決めて先制する。
しかしIBMはその後、クオーターバック(QB)政本悠紀が指揮するパス攻撃でパナソニック陣内18ヤードまで進攻。K福岡勇斗が29ヤードフィールドゴールを決めて同点に持ち込んだ。
パナソニックは相手の反則もあって、ファーストダウンを4回更新。そして第1クオーター残り2分45秒にランニングバック(RB)立川玄明がIBM守備陣のタックルをもろともせずに中央を一直線に8ヤード走ってタッチダウンを奪い、10‐3と再びリードした。
第2クオーターの1分27秒にもK佐伯(眞)がフィールドゴールを決めて着実に点差を広げていく。さらに先発QB石内卓也がタイトエンド(TE)ダックス・レイモンドをカバーしていたディフェンダーの頭上を越える絶妙な34ヤードタッチダウンパスを投げて20‐3と点差を広げた。
一方、追うIBMはタッチダウンまで持っていけなかったものの、K福岡のフィールドゴールを決めて点差を縮める。
パナソニックは前半残り1分14秒にK佐伯(眞)が3本目となる46ヤードのロングフィールドゴールを成功させて、23‐6の17点差で前半を終えた。
後半に入り、パナソニックはQB荒木優也からワイドレシーバー(WR)桑田理介への22ヤードタッチダウンパスが通って、点差は24となった。しかし、ここからIBMのハイパーオフェンスが機能し始めて、猛反撃が始まった。パナソニックのキックオフを受けたリターナー鈴木隆貴が100ヤードリターンしてタッチダウン。その2分36秒後にはQB政本からWR白根滉への32ヤードタッチダウンパスがヒットして20‐30と点差をみるみる縮めてモメンタム(形勢)がIBMに移った。
さらには第3クオーター残り2分19秒に再びK福岡が45ヤードのフィールドゴールを蹴り込み、1ポゼッション差にまで点差を縮めた。
パナソニックはここで、QB石内を再投入する。その理由について荒木延祥監督は「(石内)卓也はベンチでIBMの守備をじっくり見ていた。僕と攻め方についてコミュニケーションを図っていたので、流れを修正するため」と説明した。これが功を奏した。第4クオーター開始後13秒に、敵陣2ヤードからのオフェンスでRB立川が中央突破。37‐23と得点差を再び広げるとともに悪い流れを断ち切った。その後もK佐伯(眞)のフィールドゴールとRB岩月要の59ヤード独走タッチダウンランでIBMを突き放した。
3年連続のライスボウル出場を決めた荒木監督は「今日の試合ではディフェンスが相手のフォースダウンギャンブルをほとんど切ってくれたのが大きい。相手は予想通りパスオフェンス中心だったので戦いやすかった。またオフェンスラインがIBMのブリッツを封じてQBを楽にしてくれていた。今季は日本人QB2人を併用して戦ってきた。(2015年度の)ライスボウルを制覇した際、パナソニック攻撃の屋台骨を背負ってくれた高田鉄男以来の6年ぶりくらいの日本人QBのみの戦いだった。それゆえなのか今シーズンは、春から苦労してきたが、形になりつつある。(試合終了時点で)ライスボウルでの対戦相手は富士通かオービックかわかりませんが。どちらともディフェンスが強いチーム。ライスボウルでは2人のQBが持ち味を出してくれれば」とオフェンスを率いる石内、荒木に日本一奪取の期待を込める。