ニュース

主将、応援団を経て指揮官に就任 高山直也新ヘッドコーチの日本一奪還への挑戦

2024年05月08日(水) 19:00

【厳しい顔でフィールドを見つめるパナソニック インパルスの高山直也新ヘッドコーチ(中央)  ©X LEAGUE】

フィールドゴールで先制したものの、第2クオーターにSEKISUIチャレンジャーズにタッチダウン(TD)を許して一時は逆転されたパナソニック インパルス。しかし、その後は地力を発揮して7連続TDを獲得し、52‐7の大差で勝利した。荒木延祥前監督からバトンを受け取り、今季からチームの指揮を執ることになった高山直也ヘッドコーチは初陣を嬉しい白星で飾った。

「4月中旬から練習をはじめたんですが、前半は課題の多いゲームだった。このレベルではチャンピオンになれない。こだわっていたタックルにも課題が残った。その中でクオーターバック(QB)小林宏充(中央大)、ワイドレシーバー(WR)當間義昭(日本大)、オフェンスライン(OL)向井亮輔(関西大)、ディフェンスライン(DL)小畑知輝(大阪経済大)などの新人に、ケガからやっと戻ってきてくれた清水友哉やセカンダリーのプレーヤーが良いプレーをみせてくれたことが収穫。シンプルなベースプレーがしっかりできてこだわりを持って秋のシーズンにつながるチャレンジをしていきたい。そして今年チーム結成50周年なので『愛し愛される』チーム作りをしたい」。

高校時代からフットボールを始めて近畿大学、パナソニックではDL、ラインバッカー(LB)として活躍した。そして、2015年は主将としてチームを牽引して日本一を奪還した。その後、パナソニックは日本一から遠ざかっている。

【 デビュー戦で1TDパスを決めたパナソニック新人QB小林宏充(背番号11) ©X LEAGUE】

「選手を引退してからはチームの応援団をしていました。今、太鼓などの鳴り物応援をしていますが、最初にやったのは僕たちなんです」と応援団として3年間チームを支え続けた。その後、コーチになり本格的なコーチ活動は昨年から。

「他チームのコーチからみれば、まだまだ新米コーチです。経験も浅いですしね」と言うが、「もちろん目標は日本一奪還です。しかしそれ以上に社会人として世のため人のために成長することが大切。そして勝つことに意義がある」と社会人としての本分を忘れてはいない。「どうしてヘッドコーチに?」と尋ねると、「それは荒木前監督に聞いてください」との答えが返ってきた。

【 OLからのブロックを受け止めてボールキャリアーを狙うパナソニック新人DL小畑知輝(左) ©X LEAGUE】

そこで、同試合のXリーグTV解説者として来場していた荒木前監督に同じ質問をぶつけると、「しっかりとしたチーム理念を持っている。そしてしっかり完遂してくれる。選手からの人望も厚いからです」との返答。

パナソニックは今年でチーム結成50周年を迎える。記念すべき年に新体制で9年ぶりの日本一に向かって滑り出した。