リードされても焦らず淡々と 開幕3連勝の富士通が見せた底力

【オーバーショルダーのパスをキャッチしてTDを決める富士通フロンティアーズWR神優成（右）　 ©X LEAGUE】

富士通フロンティアーズは、第3節でノジマ相模原ライズと対戦し、逆転勝利を収めて開幕3連勝を達成した。

この試合では、WR神優成が2試合連続のタッチダウンキャッチを決め、チームの勝利に貢献した。

「今日のタッチダウンは、これまで多く練習したプレーではなかったんですけど、相手のカバーを見て、これならいけると思ったので、自分からクオーターバック（QB）に『このパスが欲しい』と頼みました」と、神選手は振り返る。ディフェンスに密着されながらも、得意とする球際のキャッチで見事にタッチダウンを決めた。

また、QB高木翼との連携については、「前回の試合でも練習通りのプレーができており、信頼感が徐々に深まっている」と、チームワークの向上を実感している。

試合前半、富士通は珍しくリードを許す展開となった。富士通の山本洋ヘッドコーチ（HC）は「ノジマ相模原のゲームプランがしっかり組まれていた印象があり、外のランプレーでボールをコントロールされていた」と分析。4つのシリーズ中、2つしか得点できなかったことに対して、相手の準備が勝っていたと認めた。

【ゲームのMVPに選出された富士通WRサマジー・グラント（左）　 ©X LEAGUE】

しかし、後半に向けて「我々のスキームの中で調整し、アジャストしていった」と語り、見事に逆転勝利を収めた。

試合中、リードされる場面でもチームの雰囲気はむしろ上向きだった。「リードされても、我々は自分たちのやるべきことに集中して淡々と進めていったと思います」と山本HCは述べ、選手たちが冷静に試合に取り組んでいたことを強調した。

WRサマジー・グラントが決めた逆転タッチダウンについても、「彼にボールを渡せばパフォーマンスが出るのは計算に入っている」とコメント。さらに「それ以外のスキルのポジションの選手たちは、今日のゲームに関して役割果たしてくれたかなと思う。高木も苦しい中、しっかりボールを回してくれた」と評価していた。

ディフェンスについては、「前半はモーションを使ったプランで攻められたが、要所でしっかり止めることができた」とし、外国籍QBに走られるシーンがあったものの、今後に向けた課題として捉えている。

【富士通の先発QB髙木翼（中央）　 ©X LEAGUE】

さらに、ノジマ相模原の外国籍レシーバーとの1対1の対決についても、「良い選手なので、1対1でやられるのは仕方ない。ただ、それ以外の部分でどう対応するかが重要」と、振り返った。

「初めから大量リードを取れるとは思っていなかった」と山本HCは述べ、チームが現状を把握しながら冷静に試合を進めていたことを強調。ノジマ相模原の優れたオフェンスとディフェンスに対してやられる場面も見られたが、「こうした接戦をしっかり勝ち切ることのほうが大事」と、逆転勝利に満足感を示した。