「立ち上がりにもたついた」富士通フロンティアーズ山本洋HCが語る開幕戦の収穫と課題
2025年09月11日(木) 12:00【9回のボールキャリーで69ヤード、1TDをマークした富士通フロンティアーズRBトラショーン・ニクソン(中央) ©X LEAGUE】
X1 Superの開幕節は8月29日、秩父宮ラグビー場で富士通フロンティアーズ対富士フイルムMinerva AFCが行われ、富士通が37対0で快勝した。初戦を白星で飾った富士通だが、山本洋ヘッドコーチは「立ち上がりにもたついた部分があった」と語り、課題と収穫を冷静に振り返った。
「ファーストシリーズからスコアを取りにいこうと話していたが、個の勝負でプレッシャーを受ける場面やプレー精度に課題が出た」と指揮官。ファーストドライブはパントに終わるなど序盤は硬さが見られたが、QB高木翼が2本のタッチダウンパスを決めるなど安定感を発揮。「春は出ていなかったが、秋に向けてしっかり準備を積んできた成果」と評価を与えた。
ラン攻撃では序盤こそ外を止められる場面が目立ったが、インサイドへ切り替えて流れを掌握。トラショーン・ニクソンや香川将成らが計200ヤード近くを稼ぎ、昨季同カードでわずか38ヤードに抑えられた雪辱を果たした。「特別なことはしていない。今年のオフェンスのテーマとして、相手をしっかり支配しようと掲げていて、それをランで組み立てていくという風な形で入れたので、その点は良かった」と手応えを語る。
【富士フイルム海老名QBシェヴァン・コルデイロをタックルする富士通LB趙翔来(右) ©X LEAGUE】
また、LB趙翔来、LB竹内修平、TE福井雄哉らベテランも存在感を発揮。昨季はけがで思うようなプレーをできなかった趙は1.5サックと復調を印象づけ、福井も貴重なタッチダウンパスキャッチを記録した。守備陣もブリッツを交えて外国籍QBに圧力をかけ、無得点に封じ込めた。山本HCは「外国籍QBのランを止めるのは永遠のテーマ。次戦のノジマ相模原ライズ戦も外国籍QBなので、外を締めて中で仕留めたい」と視線を前に向ける。
完封勝利という結果以上に、課題と修正点を自覚した開幕戦。富士通のシーズンはまだ始まったばかりだ。