「気持ちで勝つ」次戦へ ノジマ相模原ライズ城ケ滝一朗HCが見据える第2節の富士通フロンティアーズ戦
2025年09月12日(金) 12:00【2TDパスキャッチを記録したノジマ相模原ライズWRテイ・カニンガム(右) ©X LEAGUE】
X1 Super開幕節、ノジマ相模原ライズがOrientalBioシルバースターを41対17で下した。試合後の城ケ滝一朗ヘッドコーチの表情は、昨年の同カードとは対照的に晴れやかだった。
昨年もライズは勝利を収めたが、終盤のミスで突き放すことができず、20点差以上をつけるという目標を果たせなかった。結果は勝利でも、試合後の城ケ滝HCは曇り顔を隠せなかった。今年の初戦では、チームが掲げてきた「20点差以上で勝つ」という課題をクリア。24点差をつけての快勝に「昨年できなかった20点差以上を開けて勝つというのを結果として出せた。良い試合をしても結果を出せなければ意味のない試合だったので、しっかり点差を開けて勝つことができたというのは良いことだと思います」と語り、手応えをにじませた。
それでも内容に対しては厳しい評価も忘れていない。第1クオーター、相手のファンブルを奪った直後にロングパスで得点を挙げたが、「あの後にもう1タッチダウンが欲しかった。前半で勝負を決められた展開を逃した」と満足はしていない。勝利の中にも課題を突きつけ、さらなる成長を選手に求める姿勢が印象的だった。
この日は守備陣も奮闘。開始早々のQBサックで流れをつかむと、DLが継続して圧力をかけ、試合を通じて相手オフェンスを翻弄した。「今日はDLの勝利」と指揮官も賛辞を惜しまなかった。
【OrientalBioシルバースターのQBドノヴァン・アイソムをタックルするノジマ相模原DL永山開一(右) ©X LEAGUE】
そして光ったのが采配面だ。最後のタッチダウンを決めたのはライズジュニア出身のRB瀬戸山恭太。下部組織育ちの選手が堂々と結果を残す姿は、チームにとっても象徴的なシーンだった。また、先発RBに川村龍ノ介を抜擢したのも城ケ滝HCの決断。「練習の調子が抜群に良かった」と起用理由を明かしたが、その川村も堅実な働きを見せ、采配ズバリの一日となった。
次戦は難敵・富士通フロンティアーズ。昨秋は前半を3点リードで折り返しながら、後半無得点で逆転を許し、31対13で敗れている。城ケ滝HCは「勝てない相手ではない。大事なのは気持ち。個人の力では上回られても、チーム力でどれだけ勝てるか。気持ちの勝負だと思います」と強調した。勝利に満足せず課題を直視する姿勢と、次戦への強い眼差し。その明るい表情には、昨年を乗り越えた自負と、富士通へのリベンジへの決意がにじんでいた。