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オービックシーガルズDLトゥロターショーン礼、成長示すFGブロック

2025年10月24日(金) 14:00

【オービックシーガルズのDLトゥロターショーン礼  ©X LEAGUE】

オービックシーガルズのDLトゥロターショーン礼は、第4節の富士フイルム海老名Minerva AFC戦の第1クオーターに、試合の流れを引き寄せるフィールドゴールブロックを決め、勝利の立役者となった。この瞬間の爆発力と反応速度に、彼の2年目の成長が凝縮されていた。

関西学院大学出身のトゥロターショーンは、大学3年時にJapan U.S. Dream Bowlのメンバーに選出された逸材。2024年にオービック入りすると、1年目はケガに苦しみながらも腐ることなく体づくりに励んだ。その結果、体重は学生時代の100キロ未満から現在は110キロへ。しかも「スピードはむしろ上がっている」と本人が言う通り、サイズアップとスピードの両立を実現した。

【Japan-U.S. Dream Bowlの日本選抜チームの練習に参加するトゥロターショーン(2023年1月7日)  ©X LEAGUE】

「大学まではスピードでそのまま当たりにいっていたけど、今はそのスピードをどう使って相手を動かすかを考えている」。試合中の鋭い初動と的確なアングル取りには、そんな意識の変化がにじむ。フィールドゴールブロックも、相手のモーションを読み切った上で一瞬のギャップを突いた結果だった。

さらに彼を一段上へと押し上げたのが、2024年夏のNFLシンシナティ・ベンガルズ訪問だ。

「負けたら終わり、次の日にはロッカーが空になっている。そんな世界を見て、準備とメンタルの大切さを痛感しました」。

【第4節の富士フイルム海老名戦でFGをブロックするトゥロターショーン(中央)  ©X LEAGUE】

プロの極限環境で感じた「淡白な競争」は、彼の心構えを変えたという。「今は『目の前のやつには絶対負けへん』という気持ちでやっています」と言い切る姿に、もう新人の影はない。1年目の苦労と2年目の覚悟が交わったブロックプレー。

「タッチダウンまで行きたかった」と笑う表情の裏に、DLとしての貪欲な向上心が見える。ライスボウル制覇、そして海外挑戦。トゥロターショーン礼の進化は、まだ序章にすぎない。