ニュース

【X1Super】土壇場でチーム一丸。ノジマ相模原が今季初勝利

2019年11月05日(火) 23:47

11月3日文化の日。横浜スタジアムはどんよりとした曇り空が広がる。
そのような天候のもと、自力でプレーオフ出場を決めたいエレコム神戸ファイニーズと、未だ勝ち星に恵まれないノジマ相模原ライズの戦いが始まった。

最初の攻撃はノジマ相模原。QB有馬陸(#8)を起用し、RB森本絋介(#26)のランで攻める。しかしダウン更新ならず、すぐさま攻撃権が移った。
エレコム神戸の攻撃は、QBコーディー・ソコール(#19)がパスで仕掛けるも失敗が続き、両チーム均衡状態が続いた。

外国人QBのジミー・ロックレイ(#11)を欠いたノジマ相模原だったが、RB東松瑛介(#25)がQBの位置につくワイルドキャット隊形から、工夫した攻撃を展開する。
エレコム神戸は負傷から復帰したRB白神有貴(#44)によるランや、QBソコールがロングパスを試みるもうまく機能せずパントに。

ノジマ相模原RB森本絋介(上・#26)
ノジマ相模原RB森本絋介(上・#26)が走り込み1stダウンを奪う

 

その後、ノジマ相模原の攻撃でRB東松がパスを放り込みエレコム神戸の守備を翻弄する。このRB東松と森本のコンビによる攻撃が上手く機能し、RB森本が転びながらも敵陣1ヤードまで持ち込むと、再びRB森本が中央を走りタッチダウン。ノジマ相模原が先制点を決めた。

エレコム神戸も負けじとパスとランを織り交ぜ前進、敵陣へと進入する。
しかしノジマ相模原DBリー・ハイタワー(#7)の好カバーもあり、51ヤードのフィールドゴールを選択。K山崎丈路(#12)がキックを放ち、飛距離は十分ながらも逸れて失敗となった。

さらにエレコム神戸の攻撃で3rdダウンロングからQBソコールが投じたパスを、ノジマ相模原DBクエンティン・ジョーンズ(#30)がインターセプト。そのまま独走状態となり、タッチダウンとなった。
その後も、LB浦野雄大(#56)が片手でQBソコールを捕らえるQBサックを決めるなど、ノジマ相模原の守備が軌道に乗り始め、随所で好プレーが出る。

ノジマ相模原DBクエンティン・ジョーンズ(左・#30)
ノジマ相模原DBクエンティン・ジョーンズ(左・#30)がインターセプトからタッチダウンを決める

 

エレコム神戸に得点のチャンスが訪れる。ノジマ相模原の反則により敵陣からの攻撃。
RB白神、WRアルフォンソ・アヌワー(#21)、WR横山公則(#82)へのパスが連続成功し、ゴール前16ヤードへと迫る。
だがここでも、パスターゲットにぴったりとノジマ相模原の守備がつき、進撃を阻まれて再びフィールドゴールを選択。K山崎が蹴るも、DL小宮洋平(#44)がブロック。得点には至らなかった。

そのまま試合は後半戦へ。ノジマ相模原は新たにQB小林貴紀(#17)を投入。しかし、両チームの守備が奮闘し均衡する状態が続く。
エレコム神戸は、ショートパスで刻みながらじわじわと前進し、ハーフライン近くまで進み4thダウン1ヤード。勝負のギャンブルを選択し、RB白神がボールを持つも惜しくもダウン更新とはならなかった。

14-0とノジマ相模原リードのまま、第4クオーターに入る。
ノジマ相模原の攻撃を素早く止めたエレコム神戸の攻撃。WRアルフォンソへ36ヤードのパスを決めた直後、今度はWR高尾裕樹(#87)への38ヤードパスでタッチダウン。マンツーマンの守備にくっつかれるも、追い抜き捕りきった。
だがトライフォーポイントのキックを、DB佐久間徹(#3)がブロックし、6-14となる。

エレコム神戸WRアルフォンソ・アヌワー
エレコム神戸WRアルフォンソ・アヌワー(#21)がパスキャッチし1stダウンを奪う

 

これでようやくペースを掴んだエレコム神戸は、リズムに乗って着々とボールを進める。それに対しノジマ相模原は、ブリッツを増やしプレッシャーを与える。
だがその裏をかき、敵陣38ヤードよりQBコーディーがWR永見優諭貴(#26)への38ヤードのロングパスを投じる。WR永見がタックルをかわしながら独走し、タッチダウンとなった。

しかしタッチダウン後に、アンスポーツマンライク・コンダクトの反則を犯してしまい、ゴール前18ヤードより2ポイントコンバージョンの選択。パスを試みるも失敗となり、このままノジマ相模原が14-12で勝利を収めた。

待望の今季初勝利を収めたノジマ相模原の須永恭通ヘッドコーチは「いまいるメンバーでよくやってくれた。オフェンスも、ディフェンスも、キッキングも。選手同士で声を掛けあい、チームが一つになった」と、熱いものがこみ上げてくるのをこらえきれない様子で選手達を賞賛する。「持ってるものを出し切れずしっくりこないシーズン。勝てたのがうれしい」と、素直な喜びを見せた。
次戦は負けたら入替戦となる大事な一戦。「今までにないような試合を期待したい」と再びチーム一丸となって戦う姿勢を見せた。

一方、エレコム神戸の米倉輝監督は「見ての通り、判りやすいミスのオンパレード。ミスをしているのが実力だと思う」と、厳しく指摘。しかし次の第3試合でオービックが勝利を収めたため、エレコム神戸の4位確定となった。

Text 南優希
Photo  エムアイプランニング

試合記録詳細