【X1Super】追いすがるIBMを振り切り、オービックが全勝をキープ
2019年11月05日(火) 23:54ここまで5戦全勝のオービックシーガルズは、この試合も勝利して富士通戦を全勝対決で迎えたい。一方、直前の試合でエレコム神戸がノジマ相模原に破れ、JXBセミファイナル進出へ首の皮一枚つながったIBMビッグブルーは勝つしかない。こんな両チームの戦いは、途中まで手に汗握る接戦となった。
オービックのキックオフで始まった試合は、IBMのKR栗原嵩(#81)が39ヤードをリターンし、いきなり自陣41ヤードと好ポジションからの攻撃権を得る。
TEスタントン・ジョン(#40)の左オープンへのラン、RB鈴木恵多(#4)のランで前進。しかし、3rdダウンでQBクラフト・ケビン(#3)の投じたパスは失敗に終わり、攻撃権放棄の為のパントをP佐藤敏基(#11)が蹴った。
このボールをオービックPR池井勇輝(#7)がキャッチできずファンブル。これをIBMの小阪田裕介(#10)がリカバーしてゴール前13ヤードから再び攻撃権を得た。
このチャンス。3rdダウンでQBクラフトが投じたパスを、WR近江克仁(#84)がエンドゾーンのコーナーぎりぎりでキャッチしタッチダウン。IBMが先制点を奪った。
オービックは3度目の攻撃がようやく実を結ぶ。
自陣20ヤードからQBスカイラー・ハワード(#3)のラン、そのスカイラーからWR水野太郎(#81)へのパスが決まり大きく陣地を進めると、QBスカイラーがカウンターランを見せ、敵陣33ヤードまで進入した。
ここからQBスカイラーがWR西村有斗(#84)へパスを決め、さらに前進すると、RB望月麻樹(#43)のランでゴール前15ヤードとし、最後はQBスカイラーからTEホールデン・ハフ(#85)へのタッチダウンパスで同点に追いついた。
直後のIBM。自陣19ヤードからの攻撃は、QBクラフトがWR近江へパスを投じたが、キャッチした直後にタックルされボールをファンブル、相手に奪われてしまう。
敵陣28ヤードからの攻撃権を得たオービックは、QBスカイラーがWR木下典明(#18)へのタッチダウンパスを決め、オービックが14-7と逆転した。
何とか流れを取り戻したいIBM。
直後の自陣21ヤードからの攻撃で、QBクラフトがパスに、そして自らのランで敵陣26ヤードまで陣地を進める。
しかしここからパスを3度続けて失敗。K佐藤が43ヤードのフィールドゴールをしっかり蹴りこみ3点を返した。
さらにIBMは、前半残り43秒から得た自陣37ヤードからの攻撃で、RB伊藤隆貴(#28)が3度続けて走り、敵陣40ヤード付近まで前進すると、QBクラフトがWR近江へのパスを決め敵陣30ヤードへ。
K佐藤が47ヤードのフィールドゴールを成功させ、13-14の1点差に追い上げ前半を終了した。
第3クォーター、先にチャンスを作ったのはIBM。
自陣11ヤードからQBクラフトのパスでコツコツとドライブしたが、ゴールまで残り18ヤードとしたところで投じたパスを、オービックのDBブロンソン・ビーティー(#21)にインターセプトされてしまう。
逆転のチャンスを逃し落胆の隠せないIBMに対し、オービックは自陣14ヤードからQBスカイラーのカウンターランで18ヤード前進すると、RB李卓(#29)が中央を走り、相手タックルをかわしそのまま独走してタッチダウン。リードを広げることに成功した。
オービックは次の自陣39ヤードからの攻撃でも、QBスカイラーのカウンターランで敵陣へと進入。
ここからRB地村知樹(#30)がボールをハンドオフされると、右オープンをスピードに乗って走り抜け、そのままタッチダウン。さらにリードを広げた。
第3クォーターは得点を奪えなかったIBMは、第4クォーター自陣35ヤードからの攻撃でRB山中の2度のラン、TEスタントンへのパスなどで敵陣に。
RB伊藤のラン、QBクラフトからWR鈴木隆貴(#85)へのパスを決めゴール前2ヤード、最後もWR鈴木(隆)へタッチダウンパス決め、トライフォーポイントのパスプレーは失敗したものの、19-28と9点差まで迫った。
対するオービックは直後の攻撃で、RB李が55ヤードの独走タッチダウンを見せて35-19と突き放しに掛かる。
粘るIBMも、QBクラフトからWR白根滉(#82)へ20ヤードのタッチダウンパスが決まり10点差まで追い上げたが、接戦はここまで。
結局オービックがさらにタッチダウンを奪い42-25で勝利を収め、全勝で最終節を迎えることとなった。
オービックの古庄直樹ヘッドコーチは「苦しい展開を予測していた。ディフェンスも前半終了間際に僕のミスでフィールドゴールを決められたが、我慢しながら試合を展開し、点を取られ続けることはなかった。OLもランユニットがよく頑張ってくれたと思う」と我慢で得た勝利にホッとした様子。
全勝対決となる富士通戦へ向けては「もう一度対戦がある、など考えず、いま出せるものを全部出したい。1試合ずつ成長していかないと、本当の自分たちを見せられずに終わってしまう」と、抱負を述べた。
「小さなミスがあったり、チャンスをものにできなかったりしたが、全体的には良くプレーできた。大きな流れでは、練習をしっかりして今日の試合を迎えられたと思う。オービックのディフェンスが強く、第3クォーターはチャンスをものにできなかったが、よくプレーしてくれた」と、IBMのクラフトヘッドコーチ。この敗戦でJXBセミファイナル進出の望みは絶たれた。
「このチームで試合ができるのは次が最後。練習をしっかりして最高のチームで終わりたいと思っている」と、最後まで全力で戦うことを誓っていた。
Text 江田政亮
Photo エムアイプランニング