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【Frontiers' Road to Rice Bowl Vol. 3】第5節:関西遠征でファイニーズに苦戦 ディフェンスの堅守で勝利をつかむ〈短期集中連載⑤〉

2021年12月26日(日) 13:00

富士通フロンティアーズの今季唯一の遠征試合は第5節のエレコム神戸ファイニーズ戦(大阪市ヨドコウ桜スタジアム)だった。そして、これは開幕から4連勝(不戦勝含む)で臨んだフロンティアーズが今季初めて「生みの苦しみ」を味わった試合でもあった。

第4節まで49、32、63得点(オール三菱ライオンズが出場辞退した第3節を除く)と順調に高得点を重ねてきたフロンティアーズだったが、この日ばかりはエンドゾーンが遠かった。その原因のひとつがスペシャルチームの不振である。

まず、試合開始のキックオフでファイニーズのリターナー、アルフォンソ・オヌワーに41ヤードの好リターンを許してしまう。このオフェンスシリーズはフィールドゴールに終わったものの、直後にファイニーズは奇襲のオンサイドキックを敢行し、これが成功する。ただし、ここはフロンティアーズ陣内の35ヤードまで攻め込まれたものの、相手のフィールドゴール失敗で事なきを得た。

ようやく巡ってきたこの試合初のポゼッションで、クオーターバック(QB)高木翼からワイドレシーバー(WR)サマジー・グラントへの31ヤードタッチダウンパスが決まってあっさりと同点にしたまではよかった。しかし、エキストラポイントのキックを外してしまい、逆転とはならなかった。

フロンティアーズは第2クオーターにもランニングバック(RB)トラショーン・ニクソンのランでタッチダウンをあげる(2点コンバージョン失敗)が第3クオーターは無得点に終わる。フロンティアーズが得点をとれなかったクオーターは今季これが初めてだった。

第4クオーター早々にニクソンの2本目のタッチダウンで19-3とリードを奪うが、畳みかけたいはずの終盤には、高木が珍しく2ポゼッション連続でインターセプトを喫するなどリズムに乗り切れないフロンティアーズの姿があった。

タッチダウンがとれなければフィールドゴールで加点をしたいところだが、この試合でのフロンティアーズは1ブロックを含み、3回のアテンプトがすべて失敗に終わった。これが苦戦した理由だ。

この局面を打開したのがディフェンスだった。ディフェンスバック(DB)井本健一朗、ディフェンスライン(DL)神山恭祐、ラインバッカー(LB)池田健人、宮川泰介がそれぞれQBサックを記録、主将のLB趙翔来(写真)も5ヤードのロスタックル1を含む6タックルで存在感を示した。また、今季のインターセプト王に輝いたDB奥田凌大は第4クオーターにインターセプトを決めてピンチを救った。奥田はこの試合でチーム最多の8タックル(ロスタックル1を含む)、1インターセプトの活躍だった。

こうしたディフェンスの奮起で、エレコムが追い上げモードに入った後半には第4ダウンギャンブルを2回阻止し、3&アウトも2回記録した。試合残り43秒でファイニーズがようやくタッチダウンを返し、2点コンバージョンも成功させて1ポゼッション差に迫るが、点差と時間に余裕のあったフロンティアーズがそのまま19-11で逃げ切った。

スペシャルチームが不調でオフェンスがなかなかエンドゾーンに攻め込めない展開でディフェンスの堅守でファイニーズを封じ込めたところにフロンティアーズの強さがあった。こうして無敗のまま遠征を終えたフロンティアーズは次節にパナソニック インパルスとの全勝対決を迎えるのだった。

次回:〈短期集中連載⑥〉【Impulse’s Road to Rice Bowl Vol. 4】第2節:ルーキーたちの覚醒 観客を沸かせたブレナン翼のワンハンドパスキャッチ

関連リンク

<ゲームリポート>
富士通フロンティアーズが2年ぶり遠征試合でエレコム神戸ファイニーズを撃破 全勝を守る
https://xleague.jp/news/23591
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エレコム神戸ファイニーズ vs. 富士通フロンティアーズ
https://xleaguetv.elevensports.jp/video/5362