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「控え時代も無駄にしなくて良かった」 富士通の王座奪還に貢献したQB高木

2022年01月05日(水) 16:00

「勝ちがすべてだと思っていたので勝つことができて良かった」。

富士通フロンティアーズのエースクオーターバック(QB)高木翼は、アメリカンフットボール日本選手権プルデンシャル生命杯第 75回ライスボウル後にホッと一息ついた。

今シーズンからエースを任された29歳は、首脳陣が思い描いた通りに成長した。富士通が4連覇して王朝を築いた時は、コービー・キャメロン、マイケル・バードソンといった外国人が司令塔を務めていた。

しかしバードソンが抜けた今季、山本洋ヘッドコーチ(HC)は、「体制を決めていく上で、高木がバードソンと比較しても私自身は彼のパッシング能力は高いと思っていた。タレントぞろいのレシーバーをうまく使ってハイテンポのオフェンスを展開するには高木が最適だとコーチ陣と話して最終的に決めた」と開幕前から高木に命運を託していた。

いざシーズンが始まると、高木は期待通りの安定したクオーターバッキングを披露。シーズン最終節、セミファイナルと続いた宿敵オービックシーガルズ戦ではミスないパフォーマンスでチームを勝利に導いた。

そして、パナソニック インパルスとの頂上決戦。高木はパスだけでなく、ランでも勝利に貢献したことに成長がうかがえた。身長185センチ、体重93キロの背番号18はお世辞にも俊足とは言えない。レギュラーシーズンでもランでタッチダウンを決めたのは、最終節の1つのみだった。しかし、大一番で2度も自らエンドゾーンまでボールを運び、大事な場面でも脚でファーストダウンを更新した。この判断力が高木の真骨頂だった。

自らのランプレーについて次のように説明した。

「すべてデザインのプレーではない。最初のタッチダウンはパスプレーだったが、(レシーバーが)空いていなかったので単純に走った。2つ目についてはオプション。ディフェンスが(トラショーン・)ニクソン対策で外に開いていたのが見えたので、自分で判断した。(ファーストダウン更新については)自分のランは警戒されていなかった。すべては判断がうまくできた」。

今の高木の礎となったのは、試合に出られなかった時代だ。前述したように富士通の司令塔は外国人が任されていた。しかし高木は、フィールドに出られない時間も自分の成長の糧とした。

「ずっと控えが続いて、控えの中でもコービー・キャメロン、マイケル・バードソンというアメリカ人QBの下でやってきた。QBとして何が一番重要かというと勝つことだと思っている。それがパスなのか、時にはランなのか2人を見て最善の判断を学んできた。(この日の結果は)そういったところが積み重なった結果。控え時代も無駄にしなくてよかった」。

高木の成長には、指揮官も手放しで褒めたたえた。

「以前の高木は持ちすぎて判断が遅れていたが、今季は判断を含めたクオーターバッキングが上達した。今日の結果につながったことで高木がフロンティアーズのオフェンスを率いてチームをまとめてことは高く評価したい」。

エースとして初めて1シーズンを過ごし、富士通を2年ぶりの社会人チャンピオンに導いた高木。しかし現状に満足せず、すでにその目は連覇がかかる来年を見据えていた。

「これからもっともっと伸びしろがあると思っているし、自分自身にわくわくしているのでもっと成長していきたい」。

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<録画配信>(XリーグTV Powered By イレブンスポーツへの登録が必要です)
パナソニックインパルス vs 富士通フロンティアーズ
https://xleaguetv.elevensports.jp/video/6452

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富士通がパナソニック下して2年ぶり6度目の日本一 新形式のライスボウルを制覇
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