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快勝でも課題を見出すオービック 大橋HCは「シーズンを通じて成長を」

2022年09月15日(木) 10:00

「きっちりと詰め切る展開を作ることができなかったのが一番大きい。相対的なこともあるかもしれないが、僕ら自身の問題もあると思うのでしっかり修正していきたい」
otonari福岡SUNSを42対10で破った試合直後、ゲームを振り返っての質問に対する大橋誠ヘッドコーチの答えだ。その言葉の通り、オービックは前半厳しい試合展開を強いられた。

キックオフリターンでは、リターナーのショーン・ドレーパーが23ヤードのリターンを見せたが、そのプレー中に反則が発生し、自陣13ヤードまで罰退してのオフェンス開始となった。ファーストプレーは新人ランニングバック(RB)西村七斗(上段写真)の11ヤードのラン。続くプレーも再びRB西村が持って走り、さらにクオータバック(QB)ジェイソン・スミスからタイトエンド(TE)ホールデン・ハフへのパスも決まりハーフライン近くまで陣地を挽回した。

このままリズムに乗ってファーストプレーでタッチダウンを奪うかと思われたが、ここからRB西村の2度のランはほとんど前進できず、第3ダウンではフォルススタートの反則も犯してしまう。オービックに傾きかけた流れを自ら手放してしまう立ち上がりとなった。

敵陣41ヤードからとなった3度目の攻撃は第4ダウン残り4ヤードで、パント体型からカーデル・ローリングスがスナップを直接受けてランプレーをするギャンブルに挑戦するも失敗。前半終了間際には、敵陣40ヤードまで攻め込みながら、スナップミスでQBスミスがボールをファンブルしターンオーバーを喫するなど、詰めの甘さが目立つ前半となった。

そんな中、重苦しい雰囲気を打ち破ったのが、RB西村の快走だった。「最初は久しぶりの試合で試合勘が戻っていなかったが、徐々に戻ってきて(大学時代を思わせる)走ることができた。手ごたえを十分に感じることができた」と話す通り、9回のキャリーで140ヤードを獲得、3タッチダウンを奪う活躍を見せた。

大橋HCも「オフェンス、ディフェンスともに若手や新人の活躍が必須だったが、新人RBの西村と大河原陸、そして2年目の川上理宇、またディフェンスでは高橋弘汰(下段写真)らがよく頑張ってくれた」と話す通り、大河原は77ヤードを走り1タッチダウン、川上は3回のキャリーで21ヤードを稼ぎだし、高橋もチームで一番となる4回のタックルでディフェンスにリズムを生み出す活躍を見せた。

「シーズンを通じて成長していかなければならないチーム」(大橋ヘッドコーチ)だけに、初戦にいくつもの課題が明確に出たことで今後修正するチャンスを手にできた。次に対戦するエレコム神戸については「メンバーが入れ替わり新しいチームになったので予想がつきにくいが、(エレコム神戸にとっての初戦の)アサヒ飲料戦をしっかり分析して戦い方を考えていきたい」と大橋ヘッドコーチ。同じ内容では勝利を手にすることが難しいだけに、次戦までの2週間で修正しどこまで変わることができるのかに注目したい。

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<ニュース>
新人西村七斗の3TDランなどでオービックが快勝 X1 Super初挑戦のotonari福岡を退ける
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