不慣れな雨中の試合でも「らしさ」を見せた富士通フロンティアーズQB高木翼
2022年10月13日(木) 12:50開幕から2試合はいずれも前半終了までに大量得点で大きくリードを広げて後半は「お役御免」となった富士通フロンティアーズのクオーターバック(QB)高木翼。しかし、雨中の戦いとなった9日の神戸市王子スタジアムでのアサヒ飲料クラブチャレンジャーズ戦は26点差がついても最後まで試合に出続けた。
試合後、報道陣からこのことについて問われた富士通の山本洋ヘッドコーチは「高木にはやらせたいことがあったので、最後まで出場させた。雨の中の試合を経験させたいというのもあったのでいい経験になった」と理由を明かしたが、終わってみれば激しい雨にも関わらず、ランの総獲得距離170ヤードを大きく上回る268ヤードをパスで稼ぎ出す内容となった。
試合前「(雨を)言い訳にしないように…」と心がけたという高木。高木自身もXリーグで雨の中での試合は初めてということもあり、立ち上がりは攻撃のリズムを作り出すことができなかった。ランニングバック(RB)トラショーン・ニクソンや、ワイドレシーバー(WR)サマジー・グラントらがQB高木から投じられたパスをはじいてしまいキャッチできない。オフェンスライン(OL)は完ぺきなプロテクションを見せてパスターゲットを探す十分な時間を演出したが、高木もパスを決めきることができなかった。
最初のシリーズは4回の攻撃で終了。2度目はそれなりにボールコントロールができたものの、要所でのパス失敗が響き、フィールドゴールによる3点のみ。3度目のオフェンスはアサヒ飲料のキックオフをリターナー高津佐隼矢が大きくリターンしていきなり敵陣31ヤードからのオフェンスとなったが、パスを2度続けて失敗してこちらもフィールドゴールによる得点に終わった。
しかし、RBニクソンが力強いランでリズムを作り出した4度目のポゼッションから、きっちりとパスが決まり始め、いつもの高木らしいプレーを展開することができた。点差が広がってからも試合出場が続いたことについて、高木は「後半はスコアボードを見ずに、目の前のプレーに集中した」と話し、これまでの2試合では経験しなかった状況でのプレーにも隙を見せることはなかった。
次節は10月22日にMKタクシーフィールドエキスポで、昨年19-11と勝利したものの苦戦を強いられたエレコム神戸ファイニーズとの戦い。エレコム神戸は今季ここまで2勝1分の戦績で、富士通がこの直接対決を落とすと、エレコム神戸の残りの対戦相手から考えてもポストシーズン進出が不利な順位になる可能性が高くなる。
「エレコム神戸さんは、時本ヘッドコーチが就任し、選手も入れ替わりが多かったので、新しいチームといってもいい。ただ、うちはどんな相手でも自分たちのフットボールをするだけなので、しっかり分析して挑みたい」と山本HC。熱い男、時本ヘッドコーチが率いるエレコム神戸も打ち破り、開幕4連勝を目指す。
関連リンク
<ニュース>
・雨中の決戦は富士通がアサヒ飲料に大勝 ロンドンから「凱旋」のWR松井理己は出場せず
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