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富士通の山本HCが安堵、オービックとの総力戦は「タフなゲームを勝てて良かった」

2022年11月09日(水) 17:00

「疲れました」。

富士通フロンティアーズの山本洋ヘッドコーチ(HC)は、試合後に率直な気持ちを吐露した。

昨シーズンのXリーグチャンピオンはオービックシーガルズとのレギュラーシーズン最終節で、指揮官が疲弊するほどの総力戦の末に21-18の勝利を手にした。

富士通にとって前後半で全く違う展開のゲームだった。前半の立ち上がりは完全にオービックのペース。

「たぶん、(オフェンスの)1シリーズ目と2シリーズ目がうまくいかなかったので、選手たちもふわっとした状態になってしまっていた」。

指揮官がそう指摘したように、ランニングバック(RB)トラショーン・ニクソンのランやクオーターバック(QB)高木翼のパスが思うように機能せず、最初の2シリーズでファンブル、パントのスナップミスと昨季王者らしからぬミスを頻発した。そして、山本HCが「経験がない」という最大12点のビハインドを負った。

しかし、第2クオーターにQB高木からワイドレシーバー(WR)松井理己へのタッチダウンパスが通ってからようやく潮目が変わってくる。山本HC曰く特に何かアジャストしたわけではないようだが、厚めのプロテクションを使い、しっかり自分たちのファンダメンタルやテクニックを使ってブロックすることに重きを置いた。これが功を奏し、いつもの富士通の力強さが戻ってきた。

己が自信あるプレーに立ち返った富士通は、RBニクソンが簡単に止められずヤードを着実にゲイン。イギリスで行われたNFLインターナショナルコンバインから帰国して初の東日本開催試合出場となるWR松井も要所でシュアハンドを発揮して存在感を見せつけた。山本HCは松井について、「何本かドライブ続けられたのは彼の良いキャッチのおかげ。そいうところは集中力があって今後も期待したい。勝負所で彼にボールを回せたのも良かったし、それをちゃんと取り切るのは我々コーチ陣も助かりました」と信頼を寄せる。

後半の富士通は、攻撃陣が14点を積み上げたのに対して、守備陣もオービックのオフェンスを無得点に抑えて前半からしっかりとアジャストした。最終クオーターでは、奥田凌大がオービックの息の根を止めるインターセプトを決めた。仮に富士通は同点で終わっていてもレギュラーシーズンの順位に影響はなかったが、奥田は「同点で終わろうとは思っていなかった」。あくまでも勝利にこだわった結果が殊勲のプレーにつながった。

「こういうタフなゲームを勝ち切ることができたのは良かった」と指揮官が一息つくのも束の間。19日からライスボウルトーナメントが開幕し、日本一に向けた新たな戦いがスタートする。富士通は20日にアサヒビールシルバースターと対戦する。連覇を狙う山本HCは、「ここからは負けたら終わりなので、どんな形でもしっかりと勝利を収めることにフォーカスをあてる」と、結果にこだわることを強調した。

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