タッチダウン選ばずにFG選択した采配ズバリのアサヒビール有馬HC 「一番確率高かった」
2022年11月10日(木) 13:00アサヒビールシルバースターは、ライスボウルトーナメント進出枠を争っていた胎内ディアーズとの激闘を制し、最終節にプレーオフ最終切符を手にした。引き分け以上でポストシーズンへ駒を進めることができたアサヒビールは、重要な局面で有馬隼人ヘッドコーチ(HC)の采配が光った。
「ディアーズさんとはワンポゼッションのゲームになる。昨年も第4クオーターの逆転だった。結局昨年とよく似たゲームになった」。
アサヒビールの有馬HCが振り返ったように、昨シーズンの同カードも試合残り1分47秒に逆転して勝利を飾った。そして今季も残り1分19秒で勝ち越しフィールドゴールを決めて、好敵手を下した。
実は最後のフィールドゴールの場面、タッチダウンも狙えるシチュエーションだったが、指揮官はあえてフィールドゴールを選択した。この理由を有馬HC自ら解説してくれた。
「引き分けだったら我々がプレーオフ進出になる。3点を加えておくと、相手は10対10の同点に追いついても意味ないのでタッチダウンを取りにいかないといけない。こちらがタッチダウンを早く取ってしまうと、2分くらい残って向こうもタイムアウトが1回残っていた。もし向こうにタッチダウンを取られて2点コンバージョンを決められると負けてしまうので、色々と総合的に勘案しました。無理にタッチダウンを取りにいってターンオーバーとか起きないようにニールダウンしてタイムアウトを全部消費させて、フィールドゴールを決めました。今日はそれが一番確率が高かった。7点取るやり方もあるけど、加藤(翔平)君のオフェンス力を考えるとあまり得策ではない」
指揮官の采配がズバリとハマり、ディアーズの最終ドライブも長嶋佑輔が加藤のパスをインターセプトして熱戦に終止符を打った。
ライスボウルトーナメント1回戦は富士通フロンティアーズが相手。戦力がリーグでも図抜けた存在の昨季王者は簡単な相手ではなく、有馬HCも存分に理解する。しかし、「ワンチャンスをものにして、うちがミスをしないで相手がどこかでミスをしてくれる。100回に1回は勝てると思っているので、その1回が回ってくることを願っています」と敵前逃亡するつもりは毛頭ない。勝率1%ですねと問い直すと、「うーん、0.9%だと思います」。勝つ確率が1%切ったとしても、その“ワンチャン”にすべてを賭けるつもりだ。
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<ニュース>
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