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神戸ボウルでのFG失敗を糧にさらに成長 10年目のシーズンも進化を続けるパナソニックK佐伯眞太郎

2023年09月13日(水) 12:00

パナソニック インパルスが30‐10でノジマ相模原ライズを破り、開幕戦から順調な滑り出しを見せた。その大きな要因となったのが、キッカー佐伯眞太郎の存在だ。

この試合、先発クオーターバック(QB)に起用されたのは「フットボールIQが高い」と荒木延祥監督が評価する石内卓也。最初のオフェンスでも自陣20ヤードからきっちりボールコントロールしてゴール前3ヤードまで迫った。しかし、ここでオフェンスのインタフェアの反則が発生し、大きく後退。結局タッチダウンに結びつけることができず、荒木監督はフィールドゴールを選択した。

35ヤードのフィールドゴール。10年目を迎えた佐伯(眞)にとっては何の問題もない距離だ。しかし、懸念もあった。この春、神戸ボウルでの富士通フロンティアーズ戦で最後のフィールドゴールトライを決めることができず、チームに勝利をもたらすことができなかった。その経験を踏まえて夏に取り組んできた結果を出すチャンスがいきなり巡ってきたのだ。

「チーム事情で、今年からフィールドゴールチームのホルダーが(QB)荒木優也から(ワイドレシーバー=WR)木戸崇斗に代わったんです。春はスナッパーの片山佑介と木戸、そして僕がかみ合わず、富士通戦では(フィールドゴールを)失敗してしまった。春が終わってから、崇斗と片山と個別に練習に付き合ってもらって、秋は絶対にやり返そうと思っていた」と語る佐伯(眞)。

もちろん、35ヤードのフィールドゴールはしっかり蹴り込んだ。その佐伯(眞)の出番はすぐにやってきた。パナソニックがターンオーバーで得た敵陣37ヤードからのオフェンス。荒木監督は第3ダウン7ヤードの状況で、「最低でもフィールドゴールで3点をとるため、ランで少しでも前進して佐伯(眞)に任せるか、パスでファーストダウンを狙うか」の判断を迫られた。そしてパスを選択し失敗してしまう。

「眞太郎にとってハードなシチュエーションになってしまった」(荒木監督)という51ヤードのフィールドゴールだったが、個別で練習を重ねてきたスナッパー片山、ホルダー木戸、そして佐伯(眞)がさっそうとフィールドに登場すると、その難しさを微塵も感じさせずしっかり蹴り込み成功。「あれを決めてくれたのは本当に助かった」と荒木監督は述べる。そして、オフェンスの2シリーズ連続での得点は、試合の流れをパナソニックにもたらした。

さらにリードを広げて前半を終えたいパナソニックは、自陣3ヤードからのオフェンスも要所でパスが決まって前進を重ね、最後は佐伯(眞)が44ヤードのフィールドゴールを決めて2ポゼッション以上の差をつけることに成功した。

佐伯(眞)は、キックオフも務める。この試合、6回のキックオフすべてで高い軌道をえがき、エンドゾーンぎりぎりに落とす芸術的なキックを見せた。フィールドゴールを含め「イメージ通りで全体的にすごくよかった」と結果を出すことができた初戦を振り返る。

10年目を迎えた今年、気を付けていることを問うと、「頑張ると次の日にダメージがあるので、無理はしないことにしている」と答えた。10年目を迎えて得られたことは「経験値」と答え、「厳しいシチュエーションでも、いたって冷静に落ち着いて風の向きなどを考えプレーできている」と話す。春の富士通戦での悔しい思いから、慢心を捨て、スナッパー片山、ホルダー木戸と一生懸命に取り組んできたフィールドゴールユニット。「結果が出た初戦に満足することなく、目標であるライスボウルまでこの気持ちを継続して、しっかりやり返したいと思う」と佐伯(眞)。片山、木戸、そしてしっかりブロックしてプレッシャーなくキックさせてくれたオフェンスライン(OL)とともに、自己最長の54ヤードを誇るキック力が繰り出すフィールドゴール機会が巡るたびに最低3点を今後も積み重ねていく。

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