ニュース

【RBTセミファイナルの見どころ】富士通とオービックの好敵手対決、エースランナーの出来が命運握るか

2023年12月08日(金) 15:00

【セミファイナルで3試合ぶりの先発復帰が期待される富士通フロンティアーズQB髙木翼(中央) ©X LEAGUE】

2023年のライスボウルトーナメント(RBT)セミファイナルは10日、Division B 1位の富士通フロンティアーズとDivision A 2位のオービックシーガルズが等々力陸上競技場で激突する。この13年間で合わせて12回(富士通7回、オービック5回)ライスボウルを制覇している両雄の戦いは、火花バチバチの一戦となりそうだ。

リーグ戦とプレーオフを含めた直近5試合の対戦成績は、富士通が4勝1敗とリードする。しかし、オービックの1勝は富士通の前人未踏の5連覇を阻んだ2020年のジャパンXボウル決勝で、オービックは大舞台に強い印象がある。

富士通のオフェンスは、クオーターバック(QB)高木翼が2戦連続不在の中、代役の野沢研がまずまずのパフォーマンスを披露した。オービック戦にエースが復帰するか未定だが、もしフィールドに戻ってくれば富士通のパス攻撃が一変する。レシーバーは突出したスタッツの選手はいないが、それは多くのレシーバーに投げ分けるチームの戦術によるもの。松井理己、サマジー・グラント、小梶恭平ら精鋭揃いだ。地上戦では、X1 Superラッシングリーダーのランニングバック(RB)トラショーン・ニクソンが健在。簡単には倒されない強靭な体幹を武器にフィールドを切り裂く。

【東京ガス戦でインターセプトを狙う富士通DB高口宏起(右) ©X LEAGUE】

富士通の守備で注目するのが、ディフェンスバック陣。高口宏起、渡辺裕也、アルリワン・アディヤミが各3インターセプトをマークし、相手のパス攻撃を封じてきた。ここに林奎佑と新人の北川太陽が加わるセカンダリーは、若くて大型選手揃いだ。また、ラン守備も強く、今季はランによるタッチダウンを許していない。主将のラインバッカー(LB)趙翔来を軸に、ランパス共に堅守を誇る。

【オービックシーガルズQBタイラー・クルカ ©X LEAGUE】

対するオービックは、QBタイラー・クルカがチームにフィット。加入1年目の右腕は、パス獲得ヤード(1,018)、タッチダウンパス(11)がそれぞれX1 Super2位の数字を残した。渡邊ジャマール、ホールデン・ハフといった長身レシーバーとのダイナミックな連携で、富士通の長身DB陣に対抗する。また、要所ではシュアハンドの西村有斗がチームの助けとなりそうだ。ランオフェンスは、キャプテンのRB李卓が核となる。走って良し捕って良しのバーサタイルランナーは、RBTクオーターファイナルでは、96ヤードキックオフリターンを決めるなど、スペシャルチームでもチームに勢いをもたらした。富士通のラン守備は強力だが、スピードあふれる走りで風穴を開けたい。

【ボールキャリアーを追い詰めるオービックDL仲里広章(右) ©X LEAGUE】

オービックのディフェンスは、ハードなタックルが身上だ。特にフロントラインがアグレッシブで、清家拓也、仲里広章、板敷勁至、カーデル・ローリングスは重くて強い。スクリメージの攻防で富士通に勝つことができれば優位に試合を進めることができるだけに、ライン戦は重要となる。また、2列目の成瀬圭汰、最後尾の助川左門も注目の選手だ。

直近5試合のマッチアップは、オービックがすべて先制して、後半に富士通が逆転する展開ばかり。それでもオービックとしては、常に主導権を握って試合を優位に進めたい。対する富士通も、得意のファーストドライブから攻勢を仕掛けて、自分たちのペースに引き込みたいところだ。オービックが3年前に富士通を下した時は、RB李が111ヤードを記録。一方の富士通は、昨年のオービック戦でRBニクソンが178ヤードと走りまくった。両チームのエースランナーの出来が勝敗のカギを握りそうだ。

関連リンク

■来場案内はこちら
■チケット情報はこちら
■XリーグTV onアメフトライブ by rtvはこちら
■セミファイナル直前インタビュー動画:富士通フロンティアーズ対オービックシーガルズ編
パナソニック インパルス対IBM BIG BLUE編