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【Impulse’s Road to Rice Bowl 77 vol. 7】リリーフ投入は信頼の証 フットボールIQで試合の流れを修正したQB石内卓也

2024年01月02日(火) 14:00

【途中出場で試合の流れを「修正」したQB石内卓也 (中央) ©X LEAGUE】

【RBT SF パナソニック インパルス 47-23 IBM BIG BLUE】
ライスボウル出場権を懸けたプレーオフ(ライスボウルトーナメント)セミファイナルは2年前と同じくIBMとの顔合わせとなった。IBMは今季のパナソニックと同様に政本悠紀とビクター・ビラモンテスの2人のクオーターバックを場面に応じて使い分け、パスとランで高い得点力を誇ってきた。2年前のプレーオフでは第4クオーター終盤まで勝敗の行方が分からない熱戦を繰り広げただけに、好ゲームが期待されたカードだった。

序盤はお互いがフィールドゴールで得点する静かな立ち上がりだったが、第2クオーターに入るとこの日先発したクオーターバック(QB)荒木優也の司令塔ぶりが冴え、2タッチダウンと2フィールドゴールで点差を広げ、23-6と大差をつけてハーフタイムを迎えた。

【 スクランブルでランに出るQB荒木優也(右) ©X LEAGUE】

荒木は脚力があるのが特徴で、ランニングバック(RB)立川玄明やミッチェルビクタージャモーとのコンビネーションでオプションプレーも展開することができる。これまでの試合と違って、1クオーター15分で行われたセミファイナルでは時間をコントロールすることも重要な戦術の一つだ。荒木の起用はランで時計を進めることも目的のひとつだった。

しかし、荒木からワイドレシーバー(WR)桑田理介への22ヤードパスで追加点を挙げた直後から試合のモメンタムがIBMに傾き始める。直後のキックオフで鈴木隆貴が100ヤードのリターンでタッチダウン。続いて政本からWR白根滉へのタッチダウンパスが成功し、さらにキッカー(K)福岡勇斗のフィールドゴールでついに7点差にまで攻めよった。試合時間にして約10分間はIBMの独壇場となった。

そこで荒木延祥監督はQBを石内卓也にスイッチした。その理由について荒木監督は試合後に「流れを修正するため」と説明した。

かねてから荒木監督は石内について「フットボールIQが高い」と評価する。この日もサイドラインでIBM守備をよく観察し、攻略法について荒木監督とコミュニケーションをはかっていたという。言わば、荒木監督と石内の頭の中では同じゲームプランが描かれていたのだ。IBMがつかんだモメンタムを引き戻すには石内のフットボールIQが必要だと荒木監督は判断したのだ。

そして、この交替が見事にはまる。石内がフィールドの戻った最初のドライブは立川のタッチダウンランで完結するのだが、このポゼッションに要した2分32秒だった。後半に入ってからは長くても2分6秒だったから、30秒近く長くなった攻撃時間はIBMに傾いた流れを引き戻すに十分だった。

【2TDランのRB立川玄明(中央)  ©X LEAGUE】

続きオフェンスはたっぷり5分2秒をかけてフィールドゴールで加点。この時点で試合の残り時間は8分34秒。IBMに対し、2つのタッチダウンでは追いつかない3ポゼッション差をつけたことでゲームの潮目が再び変わり、新人RB岩月要のダメ押しとなる59ヤードのタッチダウンランも飛び出して47-23で勝利。3年連続10回目のライスボウル出場を決めた。

荒木監督は「日本人QBのみの戦いが形になりつつある。ライスボウルでは2人のQBが持ち味を出してくれれば」と語った。

関連リンク

<ライスボウル情報>
・ライスボウル特設ページ:https://xleague.jp/feature/ricebowl77
・チケット購入:https://xleague.tstar.jp/
<ニュース>
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<動画>
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