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富士通戦勝利に興奮の指揮官と対照的に冷静なLB田中が語る熱きチーム愛 「泥臭いライズが好き」

2023年06月15日(木) 12:00

ノジマ相模原ライズが5月28日に実施されたパールボウルトーナメント準決勝で富士通フロンティアーズに勝利し歓喜に沸いた。富士通からの勝利は、2017年5月のパールボウルトーナメントのグループリーグ以来6年ぶり2度目だった。

「うれしいです。良かったです。興奮状態であまり覚えていないです」と試合後も感情が高ぶっていたのは城ケ滝一朗ヘッドコーチ(HC)。フィールドゴール3本を外すミスもあったが、「ディフェンスが頑張りました。オフェンスも取れるところでヤードを稼いでキックにつなげているところもあった。(決勝フィールドゴールを選択したゴール前残り1ヤードの場面では)フォースダウンギャンブルをしても良かったのですが、しっかりと3点を取って勝ちにつながったので、キックの重要性を痛感しました」と攻守の頑張りを称えた。

指揮官が勝因の一つに挙げたディフェンスは、パールボウルトーナメント1回戦で275ヤードを荒稼ぎした富士通のラン攻撃をわずか37ヤードに抑えた。そして、田中喜貴と永田大河のラインバッカー(LB)コンビがそれぞれ2インターセプトを決めて、相手のパスオフェンスも機能させなかった。

城ケ滝HCは、「ターンオーバーを取って勝つことは一番大きい。ディフェンスがしっかりとランプレーを止めた。パスはいかれてもいいからランをしっかり止めようと今回のゲームプランでずっと言っていて、そこができた」と予定通りに試合を運べたことにしてやったりだった。

決勝のフィールドゴールを決めたのはルーキーのキッカー(K)竹内空。ベテランでも緊張しそうな場面だが、新人キッカーは17ヤードの距離をしっかりと射止めた。ここで試合時間は残り1分43秒。王者・富士通がフィールドゴール圏内に進むには十分な残り時間のように思えた場面では、「あんな経験がないので、タイムアウトの残り回数を計算していたら終わりました」と城ケ滝HCは笑い飛ばす。

そして、ベテランLB田中がインターセプトを決めて、富士通に引導を渡した。

殊勲の田中は、「たまたま同じシチュエーションでコールが入っていた。あそこは僕の役割ではないが、完全にクオーターバック(QB)が見ていたのでそっちに寄った。(富士通の)QB(濱口真行)は若い子で、その時点で僕たちは有利に進められたことが大きかった」と振り返った。

昨秋王者からの金星に興奮冷めやらない城ケ滝HCとは対照的に、冷静に俯瞰するLB田中。それでも、守備の要も指揮官に負けず劣らず熱いハートを持っている。

「城(城ヶ滝HC)さんがチームに吹き込んでくれた魂みたいなものが良い方向に向かっている。こういうチームで勝ちたいと思ってライズに入った。気持ちいい。(ライズは)うまくはないけど泥臭い。そんなライズが好きなので、それを絶やさず後輩にも伝えていきたい」。

田中が伝えるノジマ相模原のソウルは、脈々と後輩にも受け継がれているようにも思える。決勝フィールドゴールを決めた竹内の他にも1年目のランニングバック(RB)吉澤祥、2年目のワイドレシーバー(WR)田窪大渡らが活躍し、指揮官も「大黒柱だったWR八木雄平が抜けた後も、こういった選手が埋めてくれるとうれしいです」と若手の台頭に目を細めた。

次はオービックシーガルズとの決勝戦。ファイナルへ進むのが初めてのノジマ相模原は、勝てばもちろん初優勝だ。城ケ滝HCは、「春なのでオービックに絞ってやっていくというより、自分たちの力をつけるためにタフな練習をしていきたいと思います。ウエイトトレーニングもやらせますし、しっかり走りこみます。選手を鼓舞して、強くしていきたいと思います」と話し、主にファンダメンタルを強化して大一番に準備する構えだ。

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