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観戦のミカタ:「フェアキャッチってなに?」リターンを放棄するのには理由がある!

2020年08月21日(金) 18:50


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観戦のミカタは、よりアメフトを知っていただこうとイベントにてご質問があった内容を共有させていただくコーナーです。アメフトのルールは複雑と思われがちですが、一度覚えてしまえば非常に分かりやすく面白いスポーツです。アメフトに詳しくなり更に興味を持つキッカケになればと願っております。

フェアキャッチってなに?

今回は、試合中にキックのボールをキャッチしてリターンしなかったり、キャッチする前に、手を振っている行為が何なのかを説明しようと思う。結論から言えば、この行為は「フェアキャッチ」と呼ばれるものである。では、それが何かについて解説していきたいと思う。

●フェアキャッチの詳細と種類

フェアキャッチ(Fair catch)とは、キックオフ時・パント時において、リターナーがリターンプレーを行うことを放棄することを宣言する行為である。影響は場合によって異なる。

・キックオフ時
キックオフ時にフェアキャッチをした場合、フィールド内のどこでキャッチしたとしても、自陣25ヤード地点からの攻撃開始となる。これは、例え25ヤード地点よりも、中央寄りである自陣45ヤード地点などで行っても、適用するルールである。

・パント時
パント時にフェアキャッチをした場合、攻守交代し、キャッチした地点からの攻撃開始となる。

・補足(タッチバック)
フェアキャッチのように、ボールをリターンしない場合は他にも存在する。それは、タッチバックである。これは、エンドゾーン内にキックボールがドロップする、またはエンドゾーン内でリターナーがボールをキャッチしその場で膝をつくことによって行使される。タッチバックすることで、攻守交代後の攻撃開始地点は、自陣20ヤード、キックオフ時は自陣25ヤードからとなる。
 

●フェアキャッチのルールと取り方

・フェアキャッチの方法(仕草)
フェアキャッチを行う場合は、リターナーが、片手だけを頭より高く上げ、その手を身体の端から端へ、1往復以上大きく振り、キャッチする意志があることを明確に示す合図を出す必要がある。

・無効なシグナル
レシーバーが太陽の光をさえぎるために手を振らずにかざしただけの場合、ボールはライブ(プレー中)であり、前進させることができる。

・落としたら…
フェアキャッチのシグナルを出したのにも、関わらずボールをキャッチし損ねた場合も、通常のキックオフと同様に、そのボールはフリーボールの扱いとなるため、カバーチーム(キックおよびパントを行ったチーム)によるリカバーが可能となる。カバーチーム側がボールを確保した場合は、攻撃権は変わらず、カバーチームが有することとなる。

●フェアキャッチのメリット、デメリット

・メリット
キックオフにおいて、タッチバックのようにエンドゾーンには入らないが、自陣5ヤードなどでキャッチする場合は、フェアキャッチすることが良い場合がある。前述した通り、キックオフ時のフェアキャッチは、自陣25ヤード地点から攻撃開始できるので、20ヤード前進することが出来るのは非常に大きい。
 
フェアキャッチを行う場合、カバーチームは、リターナーに触れることが出来ない。(接触した場合、アンスポーツマンライクコンタクトという反則をとられ、15ヤードの罰退となる。)そのため、キャッチができるならば、ファンブルなどの可能性がないので、リスクを減らす事ができる。
 
・デメリット
試合に負けており、試合の残り時間が少ない場合には、できる限りエンドゾーンに近付きたいものである。タイムアウトを取ったとしても、確実にヤードを返すことは難しい。そんな時に、一発逆転できるキックオフリターンは重宝される。こうしたヤードを大きく返すという点が失われるのが、フェアキャッチの弱点である。

最後に

今回はフェアキャッチに関する解説をしたが、その中でパントに関する記述があった。過去に、NCAAにおいて行われたパントのリターンを特殊であったので、紹介したい。(現在はルール変更によって不可)フェアキャッチも上記にあるように、しっかりと手を端から端まで振らなければ行使できないので、攻守に関わらず、注意したいものである。

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