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【Dream Bowl】アイビーリーグ選抜チームの練習を支える学生スタッフ 「みんな優しくてすごく楽しい」

2023年01月21日(土) 11:38

1月22日に国立競技場で行われるJapan U.S. Dream Bowlに出場するアイビーリーグ選抜チームは毎日午前中に神奈川県川崎市内で約2時間の練習を行う。その練習をスタッフとしてサポートするのは関東学生アメリカンフットボール連盟(KCFA)所属の大学から自主的に参加している学生たちだ。桜美林大学、早稲田大学、慶応義塾大学、東京大学、明治大学から計10人のスタッフが朝早くから練習場に来て、選手たちが使うジャージの洗濯をし、設営をし、練習中はウォーターボトルを抱えてサイドラインで見守る。休憩が入るたびに選手に駆け寄って給水をする。練習が終われば選手の昼食を配り、そして翌日に備えて洗濯をする。

そのスタッフを束ねるリーダーが法坂春奈さん(桜美林大学4年生=上段写真)だ。2022年シーズンは桜美林大学スリーネイルズクラウンズの主務を務めた。シーズン終了後と共に引退をしていたが、Japan U.S. Dream Bowlの開催にあたって同大学のスポーツ推進センター長で、アイビーリーグ選抜のサポートをしている関口 順久氏から今大会へのボランティア参加の依頼があった。法坂さん以外のメンバーは横手愛奈さん、新倉 小都希さん、山﨑 紗羅さん、長島 瑞記さん、片井 麻有里さん、志田 遊梧さん、三根夕奈さん、松野夏菜さん、松岡綾香さんという面々。これに、トレーナーの土田 天央衣さんが加わる。

「洗濯に始まって洗濯で終わる一日です」と法坂さんは笑う。朝は8時に集合して、すべての業務が終わるのは午後3時ぐらいになる。51人の選手と10数人のコーチングスタッフの面倒を11人の学生で切り盛りする。「みんなKCFAの(ボランティアの)案内をみて自分から『やりたい』と思って申し込んでくれた人が集まっているので、みんな意欲が高いです。みんな仲良くやっています」

 

法坂さんは1年生時にスリーネイルズクラウンズのマネージャーとなった。高校時代はチアリーダーとして甲子園に出場する野球部を応援していたので、「全国レベルで戦っている運動部がすごくかっこいい」と思っていたそうだ。「でも、自分は運動神経がよくないから選手として目指すのは難しかったので、強い部活に入ってマネージャーで全国を目指す体験したいなと思いました。桜美林ではアメフト部が強かったので」

桜美林大学は2017年に関東大学リーグの1部BIG8に昇格。法坂さんが2年生だった2020年にはTOP8に昇格するとともに日本大学との1位決定戦に駒を進めた。そして、昨年に最高学年で主務となった。

「高学年になるにつれて(2020年は)叶わなかったんですけど、甲子園ボウルで勝つという目標を掲げていたので、それに向かってみんなと一緒にやって行きたいと思いました。自分はもともとあまり前に立つような性格ではなかったんですけど、新しい挑戦をしてみようかなって思って主務になることを決意しました」

16日からアイビーリーグ選抜の練習にサポートメンバーとして加わることになった。毎日アメリカ人と接するのはもちろん初めての経験だ。

「最初は自分の知識レベルの英語しか分からなかったので結構怖かったんです。スムーズな会話ができなくて、何を言ってるか分からないと思ったんですけど、それでも(選手たちが)話しかけてくれて、日本語チックな感じで分かりやすく伝えてくれるので、みんな優しくてすごく楽しいです」

外国人との交流では「あるある」だが、日本語を教えることもあるそうだ。お弁当を渡すときに「『頂戴ってなんていうの?』『くださいってなんていうの?』といったことを聞いてくれるので、教えています。気さくに話しかけてくれて、いつも『アリガトウ』と返してくれる選手がいて、勝手にちょっと親近感を覚えてます(笑)」

一日7時間ほど、毎日選手と交流していれば情もうつるに違いない。ちょっと意地悪な質問をしてみた。

日曜日の試合はどっちを応援しますか?

「ここまできたらアイビーリーグの選手に勝ってほしいなあと思うんですけど、全日本にも同じ大学生で選ばれている選手がいます。接戦のいい戦いをしてくれたらいいなとみんなで言っているのですが、やっぱりこっち(アイビーリーグ選抜)に勝ってほしいなというのはみんな言っています」

わずか1週間だが、とても濃密だった学生交流がもうすぐ終わる。法坂さんはこの1週間で何を得たのだろうか。

「私はあまり外国人の方と話す機会がなかったし、人前に立つタイプでもなかったので果敢に挑戦するということはなかったんですけど、下手な英語でもそれっぽく話したら向こうも嬉しそうに返してくれて。向こうも悠長にしゃべるわけじゃないけど、日本語を積極的に使ってくれたりする。全部が完璧じゃなくても気持ちで伝わる部分もあるんだなあって。自分の中で一歩踏み出せたなと思いました」

インタビューが終わった後、ふとたずねてみた。フットボールは好きですか?
「はい、大好きです!」

 

関連リンク

Japan U.S. Dream Bowl特設サイト https://xleague.jp/feature/dreambowl2023
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