第77回ライスボウル:富士通フロンティアーズ
2023年12月26日(火) 14:25富士通フロンティアーズ
ライスボウル2連覇中の富士通フロンティアーズはまさに盤石といった戦いぶりで3年連続のライスボウル進出を決めた。1試合平均39.7得点という驚異的な数字を残す一方で、相手に許したタッチダウンは全7試合でわずか6つである。
ライスボウルトーナメント(RBT)に入ってからはクオーターファイナルの対東京ガスクリエイターズ戦(エースQB髙木翼とリーディングラッシャーのRBトラショーン・ニクソンが欠場、10対7で勝利)と、長年のライバルであるオービックシーガルズと熱戦を繰り広げたセミファイナル(24対17)で苦しみながらも接戦を勝ち抜くしたたかさを見せた。
今年の富士通の特徴は若手の成長が著しいことだ。序盤から大差をつける試合展開が多かったために、先発メンバー以外の選手が多く出場機会を得ることができた。QB髙木、RBニクソン、WR松井理己、LB徳茂宏樹、趙翔来といった従来の主力メンバーに加え、QB野沢研、RB三宅昂輝、WR木村和喜、WR柴田源太、DB高口宏起らが結果を残した。
こうした選手が前半を10対10の同点で折り返したアサヒビールシルバースター戦や僅差で勝利した東京ガス戦で接戦の試合展開を経験して勝負強さを身につけたことも大きな収穫だった。
オフェンスは言うまでもなくQB 髙木が繰り出す安定したパスオフェンスとニクソンを中心としたパワフルなランプレーが大きな武器だ。山下公平や大久保壮也といった、2023年度のオールXリーグのオフェンスライン部門を独占した選手がそろうOLは強力で、富士通オフェンスの屋台骨と言っても過言ではない。
ディフェンスはジョー・マシス、宇田正男らDLとLB陣がランに対して堅い守備を見せる一方で、アルリワン・アディヤミ、渡辺裕也、高口がいずれもリーグトップタイの3インターセプトを記録しており、空中戦の守りも万全だ。
Frontiers’s Road to Rice Bowl
- ▶ 【Vol.7】先発復帰のQB高木が勝利の雄叫び オービックとの激戦制してライスボウルへ
- ▶ 【Vol.6】若手の活躍とシーズン中の接戦の経験が生きてプレーオフ初戦突破
- ▶ 【Vol.5】エースQB高木翼が欠場の最終節 野沢研が3TDパスの活躍/a>
- ▶ 【Vol.4】接戦の試合展開でチームの雰囲気を変えた趙翔来主将のキャプテンシー/a>
- ▶ 【Vol.3】今季の富士通を象徴する試合 若手の成長が見られたotonari福岡戦
- ▶ 【Vol.2】QB高木翼が前半だけで6TDパス成功の快挙
- ▶ 【Vol.1】好スタートに垣間見る新ルールへの適応力【短期集中連載】
注目選手
LB趙翔来主将:フィールド内外でリーダーシップを発揮する。昨年のJapan U.S. Dream Bowlでも全日本選抜の主将を務めた。守備の要として確実なタックルで貢献する。
QB高木翼:レシーバーとのタイミングを完璧に合わせたロングパスの正確さは今年も健在。常に冷静沈着にオフェンスをコントロールするが、ここぞというところでビッグプレーを決めた際に内に秘めた闘志を爆発させる。
WR松井理己:押しも押されもせぬ日本を代表するレシーバー。球際に強く、ディフェンダーとの激しい競り合いの中でも確実にパスキャッチをする。
RBトラショーン・ニクソン:2年連続でXリーグのMVPに選ばれたパワフルなランナー。単発のタックルでは止めることがほぼ不可能で、ボールキャリーをするたびにタッチダウンランの期待が膨らむ。
DL宇田正夫:富士通の強力なDL陣の要となる選手。OLのブロックを真正面から受け止めるパワーと、ボールキャリアーを逃さない確実なタックルが持ち味。
DB渡辺 裕也:パス守備力が高く、リーグ戦では3つのインターセプトと3つのパスディフェンスを記録。守備範囲が広く、ボールに対する嗅覚が鋭い。
プロフィール
富士通フロンティアーズは富士通グループのアメリカンフットボール経験者が集まり、同好会として発足する。1985年、“アマチュアリズムで仕事もフットボールも日本一に”をスローガンに、日本アメリカンフットボール界の開拓者となる事を誓い「FRONTIERS」と命名し、日本社会人アメリカンフットボール協会2部リーグに加盟。以降、急速に力をつけ、創部3年目には社会人最高峰の1部リーグに昇格した。
2014年のシーズン創部30年目にして、6度目の出場となるJAPAN X BOWLで初めて勝利し、社会人日本一に。初出場となる日本選手権(RICE BOWL)でも学生王者を相手に勝利を納め、「日本一」の栄冠に輝いた。また、、2016年シーズンに2度目の日本一を達成すると、以降、2018年シーズンまで3連覇を達成。2019年シーズンには、それまでの実績をベースに、さらなる高みに上るべく、それまでチームを率いていた藤田ヘッドコーチが勇退し、山本ヘッドコーチ体制となる。新体制で迎えた2019年シーズン、史上最多タイの4連覇を達成。2022シーズンは2連覇7度目となる日本一を達成、2023シーズンは3連覇を目指す。
発足時のスローガンを体現すべく、所属する選手・スタッフは、仕事と競技の両立と、拠点である川崎市の「かわさきスポーツパートナー」として、地域貢献活動にも積極的に参加している。
カテゴリ | 実業団 |
母体企業 | 富士通株式会社 |
オフィシャルスポンサー | — |
創部/加盟 | 1985年/1986年 |
Xリーグリーグ戦通算成績 ※1996年以降、X2以下除く |
■レギュラーシーズン 159戦129勝28敗2分 ■ポストシーズン 39戦28勝11敗 ※ポストシーズンはJXB(2021年度~ライスボウル)、順位決定戦含む |
日本社会人選手権出場/優勝 | 出場12回/優勝5回(2014/2016/2017/2018/2019) |
ライスボウル出場/優勝 | 出場7【2】回/優勝7【2】回(2014/2016/2017/2018/2019/2021/2022) ※【 】内は2021年度から社会人対決の回数 |
チーム名の由来 | 日本のフットボール界の先駆者(フロンティア)になることを願って。 |
チームカラー | 赤 |
公式サイト | http://sports.jp.fujitsu.com/frontiers/ |
チームスローガン | WIN THE DAY |
スローガンに込めた意味 | 日本一を達成するために「いま」自分は何をするのか常に考え、日々自分に勝つ。シーズンを通した大きな成長に向けて1%の成長を日々重ねる。 |